こんにちは、ブレイブワンコンサルティング代表の岡本です。東海地方をメインに、新規開業や既存先改革をしっかり行い、先生方と患者さんとのつながりを強化していく仕事をしています。今日も始めましょう!
「医薬品が手に入らない!?」
さてちょっとショッキングなテーマになりましたが、ひょっとすると患者さんたちは聞いてことがあるかも知れません。実際医療機関や調剤薬局さんを中心に大変困っていることが起こっているのです。
疲弊する医療業界
皆さんのお飲みの薬は潤滑に手に入りますか? のどの痛み、眼のかゆみ、腰の痛み、血圧から糖尿病を始めとした、本当に数多い自覚症状を抑えてくれていた薬が、今医療業界はこの薬の手配に大変困っています。
事が起こったのは2020年12月に起こった「品質不正問題」。当時は私もまだ営業マンで、「あ~、またやったか・・・」という程度でしたが、後になってこんな大きな問題に発展するとは(直接ではないでしょうが)思いもつかなかった事を記憶しています。
薬の製造が止まって供給が不安定になったことに加えて、新型コロナやインフルエンザの流行で需要が増えたことも拍車をかけ、かつてない規模で医薬品が手に入りにくい状態が続いているのです。
日本製薬団体連合会によると、すべての注文に対応できていない「限定出荷」や「供給停止」となっているのは、6月14日公表のもので3836品目。頭痛や発熱に使われる一部の解熱鎮痛薬、高血圧の人のための血管拡張剤、そして糖尿病の薬など多岐にわたり、医師が処方する薬の品目の2割以上となっています。
日本製薬団体連合会は「依然多くの医薬品に供給不安が生じ、医療機関・薬局において必要な医薬品の入手が困難な状況が継続している」としています。
このように事件は収まるどころかさらに悪化し続けており、国民にも多大な影響を与えているのです。
製薬メーカーの現実
このような事件が起き、よく私も言われます。
「医療業界も増産体制で忙しいでしょう? 儲かるね!」
確かに利益を増すチャンスと思いがちですが、実はちょっと違う様相を呈しています。
例えば5社が販売していて、そのうち1社が欠品してしまったとしましょう。単純計算ですが、20%減という大幅なダウンとなります。
当然その20%を奪い合って・・・となりそうですが、医療は製造に関する注意事項が非常に厳しく、簡単に増産出来るような状況ではありません。このような理由で減算せざる得ないのが現実なのです。
メーカは現状納品している先に収めるのが精一杯ですので、20%先のお客さんは無視し該当する先は路頭に迷うことになります。簡単に言えば、これが現在の医薬品流通の問題点なのです。
この問題は約3年にも及び、今も解決する見込みは今もなく、
解決策は?
このような理由で、減算された20%先は困ってしまうのですが、何か解決策はあるのでしょうか?
もちろんかなり難しく、薬を変えたり処方量を変えたりと苦労しなくてはなりません。またどうしようもなくなり、薬のある先に患者さんをお願いしたりすることも必要かも知れません。
しかし課題があれば、必ず解決策もあると信じ、出来うる限りの手段を講じたいものです。まず品目ごとの消費量を把握し、どうすれば良いか、プランを組むことです。その上で1年間を再スケジュール化し、納入量を増額する策を何とか考えてみませんか?
誰もが欲しい時期は同じで、そこで争っていても導入量は増えません。1年間できっちりと入る量と消費量をよく見て、消費量を代替してでも蓄積出来るよう、組んでみましょう。春、夏はもう過ぎてしまいましたが、まだ可能性はあるはずです。
今は基本的なプランのひとつですが、このようにひとつひとつ品目を減らし、可能か限りの手を打つしか方法がありません。すでにどうしようもない場合もありますが・・・。
メーカー側も厚生労働省には支援(後発品を作るための助成金)を求めていますが、おそらくそう簡単には解決しそうにはありません。
まとめ
非常に難しい問題ですので、一朝一夕では解決しませんが努力を続けるしかありませんね。人の考える道と少し違う道を必死で考えるしか、方法はないですから。
いま国は医療を改革しようとしており、全医療機関をシステムに取り入れようとしています。従来の保険証をなくし、マイナンバーカードにする方法もその中のごくごく一部なのです。
しかし開業医は今起きている問題をどう解決するか、考えねばなりません。難しい事も多々ありますが、逃げずに踏ん張りましょう(苦笑。
それでは、また次号で!