こんにちは、東海地方(愛知県、三重県、岐阜県、静岡県)を主な活動エリアとして、医業経営支援をしております「ブレイブワンコンサルティング」代表の岡本と申します。
医薬品卸として先生方の経営支援や人材確保のお手伝いをし、独立後も医療法人の中枢でコンサルタントをしております。世の中にコンサルタントは星の数ほどいると思いますが、外部と内部からの経験を持っているコンサルタントはそれほど多くないと考えます。
開業したものの集患が思うようにできない先生、スタッフと上手くコミュニケーションがとれず離職が多いクリニック、新規開業を志すが何から手をつければ良いかわからない病院勤務の先生のお力になりたいと考えています。
個人経営ですが、それゆえに納得いくまで話し合い、一軒一軒に最適のコンサルタントが出来るのが強みです。是非お気軽にご相談下さい。それでは今日も一緒に学んでいきましょう。
カウンセリングとは?
カウンセリングとは、相談者の抱える悩み・問題に対し、専門的な知識を持つ医師や心理カウンセラーが指導や援助をする、主に話し合いを中心とした心理療法・精神療法のひとつです。
海外に比べて日本人にはまだまだ馴染が薄い言葉ですが、最近のストレスフルな社会の中でかなり一般的になってきました。
厚生労働省「こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」には、『カウンセリングは、どうしたらよいのかのアドバイスを受けたり、答えを出してもらったりするためものではありません。自分自身の力で立直っていくきっかけをつくったり、気持ちや考え方を整理していくサポートを行ったりするのがカウンセリングなのです。』と記載されています。
厚生労働省「平成24年労働者健康状況調査」では、現在の自分の仕事や職業生活での不安、悩み、ストレスについて「実際に相談した人がいる」と答えた人の割合は73.8%、実際に相談した相手(複数回答)としては「家族・友人」が 82.1%と最も多く、次いで「上司・同僚」が66.9%となっていました。
しかし、実際に相談した結果、「抱えている不安や悩み、ストレスが解消されたかどうか?」という問いに対しては、「解消された」と答えた人が33.0%、「解消されなかったが、気が楽になった」と答えた人が61.1%という結果になっています。
私たちも何か問題が起こった時、自分だけで対処するのが難しい時って多いと思います。家族や仲の良い友人に相談する事で解決することもありますし、話す事自体で楽になることも多いですね。
医療においても非常に重要な部分ですが、医療機関への不満の上位に「説明不足」「話をきちんと聞いてくれない」「流れ作業みたいだ」という声がたくさん挙がっているのが現状です。
なぜこのような声が多いのか、医療機関(特に開業医)の現状を確認していきましょう。
相反する開業医の現状
確かにカウンセリングの技術を使うなりして、患者さんの話をじっくり聞くことは様々なメリットがあります。
例えば診療においても、通常は問診(紙、web)で得た情報を元に受付や看護師が追加入手した情報、そして医師が診察室で聞く情報を合わせて判断材料にします。
これに検査データなどを加えて総括的に診断をすると思いますが、この患者からの訴えの聞き取りが充分でないと思わぬミスにつながることもあります。
ここで開業医の現状を振り返ってみますと、流行っていれば流行っているほど患者数は多くなり、一人当たり時間が短くなる傾向です。クリニックの運用方法やDX化のレベルでも変わってきますが、基本線としては間違っていないと思います。
限りある診療時間内でたくさんの患者さんを診ないといけない開業医の先生方の苦悩はよくわかるつもです。しかしかながら、患者さんの体や心の訴えをしっかり聞くことで診療所上のミスも少なくなると思いますし、患者さんの満足度は格段に向上する事も事実。
待ち時間と医師とスタッフの働き方と、患者さんの満足度を両立していく事はレベルの高い仕事です。
どのように対応していけば良いか?
まず患者さんの話をしっかり聞き取る事にスポットを当ててみましょう。
カウンセリングの技術という話をしましたが、診療においては専門技術がなくても可能です。日常生活でもスタッフ面談でも同じですが、ある程度時間を取り、共感しながら話をよく聞けば相手は話す事の満足感と共感してもらえた事への安心感を得ることが出来ます。
そんなに難しいことではないと思いますが、これが結構出来ないものなんですね。次の準備を考えたり、他事をしながら聞いたり、適当に聞いたりする事が意外と多いもの。基本的に人は人間は他人の話をそんなにしっかり聞きたいとは思わず、それよりも自分の話を優先したい生物。ですのでしかり意識しないと失敗しがちです。
来院してどんな問題を抱え、何をどうクリアにしたいと思っているのか?
最終ゴールを考えながら、患者さんと向き合うことが本当に大事になってきます。
具体的には、
- 相手の方に体を向けて、目を見て話を聞く
- 適度なあいづちを打ちながら、合いの手をいれながら真剣に聴く
- 通常の聞くではなく、聴くの方の気持ちで臨む
- 自分の意見と合わなくても、相手の話をさえぎらずに聴く
- 時々「こういう事ですね」と確認を入れる
などが基本的な「話の聴き方」だと思います。
「たしかに基本だし理想だけど、こんな事してたら待ち時間がかなり長くなるよ」
そうですね、ですので漫然と聞いていると時間がかかる方は、まとめを入れたりして結論に導く事も時には必要。
耳鼻咽喉科や皮膚科、眼科などたくさんの患者さんを診療しないといけない科目は難しい部分ですので、診療方法そのものも考えていかなくてはなりません。
来ただけ診るスタイルから予約にしたり、外来数そのものを制限したりという工夫が必要です。診療科目、診療スタイル、収益面から複合的に検討し決めていきましょう。
ひとりの医師が的確な診断や治療が出来る人数には限りがあると思います。思い来った決断も時には必要かも知れませんね。
本日のまとめ
本日の経営ブログは「患者の話をどう聞けばいいのか?」というテーマで進めて参りました。いかがだったでしょうか?
大きなテーマでこの紙面だけでは到底語り尽くせませんので、また別の機会にお話したいと考えています。まずは問題意識を持って頂ければ結構です。
社会の至るところに新しいテクノロジーが押し寄せてきますが、対人の基本的な部分は変わることがないでしょう。
自分がして欲しいと思う事を相手にもしてあげよう。この気持ちをなるべく忘れずに、日々の診療にお努め下さい。
それでは、また次号で!
編集後記
今年のコンサルは9月いっぱいで終了しようと思います。闇雲に利益を追求する気はなく、しっかりとお客様と対話し課題解決を共有しながらクリアしていく為に、受注を制限します。ご容赦下さい。
相談事は受付していますので(40分無料)、お困りごとなどご相談下さい。
医業経営を支援するコンサルタント「ブレイブワンコンサルティング」の詳細はコチラ>