こんにちは、東海地方(愛知県、三重県、岐阜県、静岡県)を主な活動エリアとして、医業経営支援をしております「ブレイブワンコンサルティング」代表の岡本と申します。
医薬品卸として先生方の経営支援や人材確保のお手伝いをし、独立後も医療法人の中枢でコンサルタントをしております。世の中にコンサルタントは星の数ほどいると思いますが、外部と内部からの経験を持っているコンサルタントはそれほど多くないと考えます。
開業したものの集患が思うようにできない先生、スタッフと上手くコミュニケーションがとれず離職が多いクリニック、新規開業を志すが何から手をつければ良いかわからない病院勤務の先生のお力になりたいと考えています。
個人経営ですが、それゆえに一軒一軒に最適のコンサルタントが出来るのが強みです。是非お気軽にご相談下さい。それでは今日も一緒に学んでいきましょう。
クリニックのお悩みダントツ1位は?
顧問先や知り合いの院長、奥様と面談する際に必ず一番に出てくるのは”人”の問題。
ご存知のように仕事は一人ではできず、必ず誰かの手を借りなくてはいけません。労働集約型産業である医療機関は尚の事だと思います。しかしながら古代ローマ時代から現代に至るまで、人に関する悩みは尽きません。クリニックに限らず、全産業の経営者にとって最大のテーマといえます。
1.採用
最近特に多い悩みとして、まずは採用難。
コロナ禍以降景気は大きく後退しましたが、ここにきてようやく浮上してきました。それに伴い採用市場もかなり活性化してきています。賃金の上昇、労働条件の改善、何より求人企業が多いのは働く側にはうれしいことです。
しかし採用側にとっては厳しい状況になってきています。従来なら求人媒体で簡単に見つかったのに、今では人材紹介会社に高いフィーを支払ってもなかなか採用出来ません。労働環境や賃金、そしてやりがいある職場でないと最早人は来ないというのが今の状況です。
私も様々な業者さんと情報交換をしていますが、圧倒的に多いのが採用に関する訴えだsぷです。募集媒体やエージェントに依頼する、自院のホームページで呼びかける等あの手この手で募集をかけますが、応募すらないと嘆く先も。運良く応募があってもひと昔前と違い、レベルが低い・・・というお悩みも。
長い目で見ても日本の人口は減っていくわけですので、この傾向は続くのではと予測されています。業者側にとっては追い風で、様々なアプローチをかけてきますが、どれも決め手には欠ける状況。クリニックにとっては大きな悩みになってきました。
2.離職
厳しい採用環境の中やっと採用が決まり人員が充足したと思った矢先に、まさかの退職問題が勃発・・・・
離職には入職が決まった方が数か月で退職するパターンと、今までいた方が退職するパターンがあります。
入職後数か月で退職するケースは様々な理由があると思いますが、一番問題となるのが「思っていたのと違う・・・」ケース。
細かい話は割愛しますが、これは採用活動時に大きな問題があると思われます。端的に言えばホームページ、募集媒体、面接時の話と違うということですね。
「うちはきちんと説明しているから、そんな事はないはず!」
確かに大筋で相違があるケースはそれほど多くないと思いますが(中には金銭面の明らかな相違があった例もありますが)、しかし実際には細かい部分で相違があり、それが積み重なって不信感になる場合がほとんどだと思います。
採用前の段階で包み隠さず良い点、悪い点などを伝えることが肝要です。
3.マネジメント
こんな事を申し上げますと不評を買いそうですが、そこをあえて言うのが当社の信条。離職の項と少し関係してきますが、人事や総務の仕組みが出来ていないクリニックが非常に多く、そこから問題が発生する場合が多い。
一般的には社労士さんや税理士さんが担当してみえると想像しますが、クリニックで起こりうる問題を把握していない(したくない?)士業の先生ですと、きちんと仕組み化しておらず、何かあったらそこで先生と話し合い決めていく場合があります。
対応としては後手になりますし、そもそも雇用する際の起こる事はほぼ想定可能ですので、予め作っていないこと自体に不信感を感じる方もいると思います。企業勤務経験があればわかることですが、先生方は注意しないといけない点です。
このような人に関する悩みが院長の最大の悩みで、他にも様々なスタッフがらみの問題が発生するのが常です。
スタッフ問題は経営にまで影響する
冒頭申し上げたように今は簡単に良い人材を採用出来る時代ではありませんし、相応の時間やエネルギー、コストがかかります。加えてスタッフがいないとクリニックは絶対に機能しませんので、結果として経営に大きく影響してくるわけです。
人手がないため患者さんの対応に影響が出ますし、忙しさからつい愛想も悪くなるでしょう。その結果悪い口コミが入ったり、負荷が増えた既存スタッフが離職するケースは全国的に発生しています。
たかが医療事務ひとり、たいしたことないよ・・・とは絶対に言えない時代なのです。
防止するには、「ここで働きたい!」と思って頂けるような職場にするしかありません。
自分がして欲しいように、相手にしてあげよう!
人に関する事では、残念ながら一律の解決策というものが存在しません。クリニックの特徴やスタッフさんの個性なども含めて対応していかなくてはなりません。
ただ一つ言えることは、
- 「自分がして欲しいように、相手にしてあげる」
- 「自分がされて嫌な事は、相手にはしない」
こんな簡単な原理原則を守って対応すれば、そんなに悪いことにはならないと思います。
- 患者さんだけでなく、スタッフも同じように大切な存在である事を理解する
- 働き方をよく考えてあげる。賃金は市場と比べて低くないか、勤務時間は長くないか、残業は多すぎないか、有休は取れているかなど、自分がスタッフならどうして欲しいか、どういう職場は働きやすいかを考えれば答えは出るはず
- 仕事のやりがい、成長性を感じて働いているかを常に注意深く観る
こんな事を常に考えて実践してくれるクリニックなら、働きたいと思ってもらえるのではないでしょうか?
まとめ
本日は「人に関する悩み」についてお話をさせて頂きました。いかがだったでしょうか?
開業するとほぼ100%経験されるスタッフ問題をテーマとさせて頂きました。特に開業後数年経ったあたりで発生する事が多いようです。これは先生が最初の緊張感や初心を失ってくる時期、少し患者も増えて勘違いを始める時期とも符合します。ともすると裸の王様になりがちな開業医ですので、そばに率直な意見をくれるパートナーを置くことをお勧めします。
ネガティブな事ばかりになりましたが、上手くマネジメントする事が出来れば心強い協力者にもなりますので、初心を忘れずにマネジメントの勉強も行って頂きたいと思います。
それでは、また次号でお会いしましょう。
編集後記
アフガン、パキスタンで65万人の人々を救った日本人をご存じですか?
その方は、中村哲(なかむら てつ)という方で、数年前に現地で凶弾に倒れたという記事を新聞で見られたかも知れません。元々は医師として現地に行き診療所を作って診察をしていた方です。これだけでも立派ですが、医療の限界を感じてその後1600所以上の井戸を掘ったり、26kmにも及ぶアフガン初の用水路を完成させた、すごい功績を残しました。
こんなすごい人道支援をたった一人の人間が成しえた事に驚くと共に、強い想いは必ず実現するんだ!と感銘を受けました。たくさん書籍も出ていますので、是非ご覧頂きたいと思います。
医業経営を科学的に解決する「ブレイブワンコンサルティング」
スタッフマネジメントにお悩みなら、お力になれるかも知れませんので一度ご相談下さい。