私は元営業マンとして「結果が、すべての世界」で生きてきました。
俺はこんなに頑張った、努力したんだというプロセスではなく、結果=実績を問われる仕事でした。当時上司がよく言っていた言葉は「頑張らなくてもいいよ。結果を出せばいいから」でした(苦笑)。
今の時代ならブラックもブラック、墨汁のように真っ黒の企業でしたが、ひと昔前は当たり前でしたね。入社した当時からそうでしたので、自然と「数値」が物事を判断するうえで基準となったのかも知れません。
数値で全て判断される世界は想像以上に厳しい世界でした。調子の良い時はとても楽しかったのですが、売れなくなると滅茶苦茶つらい。胃の調子が悪くなるなんて序の口、結構体調を崩している人も多かったと記憶しています。
私は成績は悪くなく、長い営業マン時代を何とか生き残ってこれました。元来厳しい環境は嫌いではなく数字も結構好きでしたので、合っていたのかも知れませんね。
数値という概念は、おそらく唯一の万国共通のモノサシではないでしょうか?
住む国が違って言語が違っても、小学校以上くらいの人間が見れば、数字の「5」は「5」ですね。曖昧な解釈や勝手な意見が入る余地のない、純粋な点が好きなんです。
また夢や目標をかなえるにあたっても、数値化は有効。漠然とした夢は叶わないと言われています。現実かのごとく、具体的でリアルなイメージを抱かせることが大切です。その為には、いつまでに、どれくらいのことをするという「数値化」が絶対条件。
先生も仕事、社会生活をしていく上で様々な判断を求められると思います。3つのポイントをご紹介しますので、以下のことに気をつけて目標を設定したり、指示を与えるとより実現に近づけると思います。
数値化するメリット1~判断基準が明確化される。
例えば先生がスタッフさんに指示されるケース。ここではある書類を依頼したと仮定しましょう。
「A子さん、あの書類だけど早めにお願いできる?」
よくある指示の仕方だと思いますが、締切がいつなのか、いつまでに仕上げなくてはいけないのかが不明確。指示をされた方も困りますので、こういう指示の出し方はNGです。明日の何時までとか、明日の朝には欲しいとか具体的な締切を設けて指示をすべきです。
「明日はワクチン接種日、準備もあるので出来る限り早めに集合!」
”出来る限り”の取り方は各個人いろいろ。10時開始で8時に来る人もいれば、9時50分で良いと思う人もいます。こういう誤解を生まないためにも、○○時という数値化が適しています。誰が見ても、一目瞭然というのが数値化のいいところですね。
わかりきったことのようですが、現実はこのような指示が飛び交っています。自分に対しても、人に対しても具体的な数値で伝えましょう。
数値化するメリット2~モチベーションが高まる
目標、ゴールが明確になっていないと向かうべきところが定まりません。皆が同じ目標に向かうことで、皆が持つ力が集約化されるのです。
それに伴ってモチベーションも変わってきます。
「今月の患者数の目標は、総数○○〇人、新患100人獲得!」
具体的な指示になると、そこに焦点が定まりモチベーションも高まります。貴重な人的パワーを無駄遣いしないためにも、数値でしっかり決めていきましょう。
数値化するメリット3~検証しやすくなる
PDCAが大切というのは今やビジネスの常識ですが、その検証がしやすいのは”数字”です。
具体的な目標に対して、具体的な検証が生まれます。逆に言えば検証できないような目標は、適切な目標ではないとも言えます。上手くいったケースとそうでなかったケース各々で的確な数値基づいた検証をすることは、次回の取り組みに必ず活きてきますので院長先生は率先して行って頂くことが大切です。
まとめ
たくさんあるメリットの中で主なポイントを挙げましたが、いかがでしょうか? 元々数値化されている職場はいいですが、そうでない職種、例えば医療や介護、学校なども取り入れていくことをお勧めします。
気をつけなくてはいけないことを一点付け加えておきます。
それは・・・「数字がひとり歩きする」という現象です。本来の目的は何であったのか?ここを外した数値化は意味がありません。そればかりか、数字ばかりを追うことになって殺伐とし、結果として個人や組織の成果・効率を落とすことになるからです。
短期的には数値達成のみであっても、中長期的には仕組化や人材育成を並行して進めていかないと、伸びなくなってきます。
矛盾しているように聞こえるかも知れませんが、人材育成や教育を怠った数値化はしてはいけません。
結果は重視するのはプロですから当然、でもプロセスも大事にしてフォローしないと絶対に上手くいきません。
厳しいけど、楽しい。両立する方法はいくらでもあります。そういう個人、組織を目指して欲しいと思います。
それでは、また次回!