こんにちは、医療コンサルタント会社「ブレイブワンコンサルティング」代表の岡本です。東海4県をメインにして、今最もやかましく言われている”医療DX”などを中心にして、今どう考えどう動くかをクリニック様と話し合い実行しています。
さて医療は厚労省の掛け声のもと、大きく変わろうとしています。たとえば医療DXと呼ばれている仕組みがそうですが、これが出来ればもうクリニックは完璧と思っています。
でも本当に今の仕組みでもう安心でしょうか? クリニックが今抱える問題点を探っていきましょう。
今の医療DXって、本当は60%程度しかやれてない?

現在必死で取り組んでいる医療DXですが、実はこの仕組み導入は100%ではないと言わざる得ません。「ええ~!」と言われるのを聞くとツラいですし、必死で頑張ってくれているスタッフさんに申し訳ないですが、おそらくは60~70%ラインくらいかも知れませんね。この話は最後のまとめでお話致します。
さあそれではもう一度クリニックにおける医療DXという仕組みを、くどいですが簡単に整理してみましょう。
web予約
患者さん自らがクリニックのホームページにとび、自身の希望する予約時間を選びます。今までの紙の診察順番から、webになった事でかなり(これはかなり!)患者さんは自由に予約を取れるようになりました。まさに紙なんて今更もう戻れない!の典型です。
また予約と並んで「再診受付」も出来るメーカーさんも増えており、窓口で自身のバーコードを提示しチェックイン出来ます。窓口を通さなくても良いので(事務作業の効率化)、導入数はかなり増えているのではないでしょうか。
web問診
予診表も今までの紙媒体から、webへと変わっています。もう紙を使うこともありませんし、データもクリニックが保存出来ます。さらに簡単なAIの活用で、質問に応じて次の内容も変わってくるので文章を短くも長くも自由に展開出来ます。これも予約同様に画期的な出来事ですね。予約同様、こちらも導入数は年々増えています。
診察
診察においては電子カルテの普及により、一番大切な医療の内容が保存されます。トータルでいえば全クリニック数の65%前後だと思いますが、数年後には厚労省の指導により全軒が納入する方向になっています。
他にもクラークを導入して医師は患者さんに集中できますし、患者さんとの会話内容をAIがテキストにしてくれたりしています。
ただまだ診療に関してはこの程度しかなく、ノドカなどの一部を除きまだ検証段階だと言えます。将来的には画像処理や診断の補助的なAIの普及が期待出来ます。
お薬・お会計
お薬は一部の調剤薬局が自動ロボットを取り入れて半自動?的に行っていますが、まだ価格も高いので今は人の手に任されています。監査機能を機械に任せる(自動監査システム)、という取り組みが一般的だと思います。
会計に関しては診療のクレジットカード払いが進んでおり、事後決済システムがどんどん普及してくるでしょうね。
このような仕組みが現状の主な医療DXで、まだ辿りついてない医療機関はこの導入に躍起になっているのが現状です。しかし必死でやろうとしている医療DXは実はまだまだのラインで、さらに先行きには途方もない領域を残していると言っても過言ではありません。
本当の医療AIとは?

本来人間の目指している医療DXとは、人間にしか出来ない部分以外は全て機械やAIにさせたいのではないでしょうか?
しかし今の形はまだまだ未熟な部分も多く、よく映画で見るようなAI診察風景とは大きく異なります。本当にこれで終わりなのか、それともその先がまだまだあるのか、一体どちらなのでしょうか?
全体像を話すとかなり長くなるので今わかっている部分だけですが、第二ステージを見ていきたいと思います。
まずは看護師さん、医療事務さんを見ていきましょう。
まず今の定型文章は全てAIが作成、最後のチェックをDrや医療スタッフが行うようになります。そして今まで看護師さんが必死で?ダッシュしていた薬剤・医療材料などの搬入や搬出も、全てAIが取決めて運搬も行います。
さらに個別で入力していた患者記録ももっと簡単に入力出来て、すべてのデータも一覧で管理出来ます。これで看護師や医療事務は煩わしい作業から解放され、本来の患者さんのケアにより迎えるようになるでしょう。
それでは医師はどうでしょうか?
診断をする上で非常に重要だった画像診断は、全てAIが分析し先生の診察を補佐します。これにより医師は最後の診断に100%の力を注ぐことが出来るようになりました。
また血液検査なども分析され、考えられる範囲の病気を踏まえた上で最終的なジャッジメントまでをヘルプしてくれます。
医師はAI診断補助アシスタントをつけて、ミスの極力少ない体制で診療に臨めるのです。医療訴訟のおおくなると予測される近未来でも、勇気づけられるのではないでしょうか?
ざっくりなお話になりましたが、総じて言えるのは「医療AIを導入した未来」は今の現状をはるかに上回ります。おそらくビッグデータを用いてあらゆる病状を分析し、治療法を教えてくれる夢の時代。
たしかにAIは素晴らしいが、あらゆるデータを読み込んで初めて活きる。その難しさは残していながら、まさに映画の世界があと少しの未来まで来ていると確信しています。
まとめ

医療の近未来図を見て頂きましたが、いかがだったでしょうか?
「前項の内容はそのうち導入されるかも知れないけど、今はまだまだ無理でしょう・・・」
たしかに今出来るかどうかもはっきりしてないような事ばかり。それを医療DXに位置付けるなんて、無理というものでしょうという見方も多い。
しかしながら前項でお話したのは医療DXや医療AIの途方もない未来図ではなく、各国で取り組んでいる実際の事ばかりなのです。全部とは言いませんが、おそらくこの中の過半数は実際に皆さんが体験するであろうものなんです。
だから今日本でお話している医療DXなんて、全然大したことではないんですね。とりあえずのスタートラインに立ったようなもの。
ですので早く導入を進めて頂き、次の仕組みに備えていくことが肝心です。千里の道も一歩より、確実に上がっていけば必ず未来は待っていますよ。
それではまた次回!
<編集後記>
私は自転車が趣味で、温かくなってきたので今年も乗り始めています。現在は以前からのロードバイクに合わせて服も楽しんでいましたが、昨年買ったランドナーも乗ってくれ!と言わんばかり。
まいったな(嬉しそう!)。乗る服装もちょっと変えねばと、いろいろお金をつぎ込まずに研究中です。バイクというよりも、総合的に楽しく乗りたいですね。
またどこかでもし会ったら、声かけてね~!