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時価総額日本3位!キーエンスの成功法則に迫る!

こんにちは、東海地方(愛知県、三重県、岐阜県、静岡県)を主なエリアとする、医業経営コンサルタント会社「ブレイブワンコンサルティング」代表の岡本です。

当社は医業経営でお困りの開業医の先生、スタッフのマネジメントに悩まれている先生、新規開業を志す先生、分院展開を考えている先生などの問題解決のお手伝いをしております。当ブログでは私の長いビジネス経験、コンサルタント経験から、様々な開業医の課題をビジネス目線で深堀りしています。最後までお付き合い頂けますと幸いです。

本日のテーマは、

「キーエンス流、成功法則とは?」です。では始めていきましょう。なお本記事は、「キーエンス解剖」(著者:西岡 杏さん)を参考にさせて頂いております。

キーエンスってどんな会社?

そもそもですが、キーエンスという会社をご存知でしょうか?

キーエンスは、FA(ファクトリーオートメーション)用センサーなど製造工場まわりの機器を作っている企業です。BtoB企業ですので、一般消費者には馴染みがあまりなく、認知度も低いと思います。

しかしタイトルに書いた通り、企業時価総額が14兆5000億円弱(2022年11月)と第2位のソニーグループに肉迫するほどの凄い企業なのです。もっと驚くのは営業利益率約55%という驚異の数字を叩き出している点。通常の製造業の営業利益率は5.2%で、同業で優良企業であるファナックでさえ25%、あのトヨタでも30%台と聞いています。

ちょっと信じられないような数字ですが、この驚異的な利益は社員の給与にもきっちり還元されていて、平均年収は2200万円!勤務医の先生を上回る、驚きの数字です。しかもコロナの影響で若干減少したものの、この高収益体質は続いており、8年連続で伸びています。

この時点で考えることは、

「そんなに給与が高いってことは、歩合制の超ブラック企業に決まっている!」

「何か企業倫理に反するような事をしているに違いない!」

人間、人の幸せは許せないので(苦笑)このような声が聞こえてきそうですね。しかし、本当に驚くのはその実態です。

成功するべくして成功している、その仕組みとは?

興奮と嫉妬心冷めやらぬ中、キーエンスの謎に踏み込んでいきましょう。

たしかに通常の考え方ですと、売上や利益が異常に良いと何か悪い事をしてるのでは?とか、社員を過酷に働かせている、短期的なものだろうというネガティブなものになります。

しかし謎の一端を見て頂くと、その考えは大きく変わると思います。

スピード

通常興味のある製品があれば、ホームページから資料をダウンロードしますね。会社にもよりますが、その後電話やメールでコンタクトがあります。その間数日~1週間程度で電話がかかってくれば良い方で、メールで一度連絡程度という企業が大多数だと思います。

しかしキーエンスはその速度が驚くほど速い。ダウンロードしてしばらくすると、営業から電話があるそうです。そこで課題やお困り事を聞き出し、キーエンスのコンサルティング営業の渦に巻き込まれます。

「え、さっき資料をダウンロードしたばかりですが・・・」

おそらくそのお客さんは、こんな気持ちになるのではないでしょうか? 戸惑われる事もあるでしょうが、鉄は熱いうちにと言うように時間が経つと興味も薄れるもの。徹底したスピードは競合につけいる隙すら与えないのでしょう。大切な事だと思います。

徹底したコンサルティング営業

キーエンスはメーカーで、通常メーカーの販売体制は代理店に販売を委託するケースが多いと思いますが、そこも他とは一線を画します。同社は直接営業制を敷いており、キーエンスの社員が直接お得意先である製造現場に出向いて営業をします。

普通の営業はすでに出来上がった製品を販売に行きますが、キーエンスの営業は違います。現場での徹底したヒアリングを重ねて、現場の問題解決する事を最優先します。

簡単に言えば、出来合いの自社製品が相手の現場ニーズに合わない場合、製品の方を改良して提案します。この発想と行動が素晴らしい。つまりお客さん1軒ごとに製品を変えていくという事です。通常製造した製品の仕様を変えるのには大変な労力とコストがかかると思いますが、キーエンスはやり遂げます。

そのコストはどうするのか?という疑問が出ますが、製品価格にきっちりオンコスト。お客さんも自社の問題解決が出来るので、コストが高くても良いという好循環になります。値下げから始まる販売が多い中、きちんと利益を確保出来るからこその高収益体制が出来上がっています。

この顧客の課題を解決するコンサルティング営業を極めることこそ、成功する大きな要因だと思います。自分に置き換えてるとわかりやすいと思いますが、自分の困っている事、今すぐ解決して欲しいことを解決してくれるならお金はある程度かかっても是非やって欲しいという方が多いのではないでしょうか?

さらにキーエンスの営業の凄いところは、顧客のまだ認識できていないウオンツまで提案し成果を出せる点です。認識している課題を解決してくれるだけでも大変助かると思いますが、漠然としていたその先、または全く考えてもいないけど実現できると物凄く助かるという事を提案し解決してくれます。

これでは参った!というしかないでしょうね。まさに他社とは違う、キーエンスと取引したいと思うでしょう。

これがキーエンスの誇るコンサルティング営業です。

即日納品

さらに驚愕の仕組みをご紹介しましょう。

どんな業種にも「納期」が存在します。製品によりますが、1週間とか3か月、半年という場合もあるでしょう。車の一部の高級車は2年待ちという場合もあるそうです。

キーエンスの基本は「即納」。ソフトを売っているわけではなく、1000万円を超すような精密機械もあるのに、今日発注したら明日届きます・・・。え、冗談ですよね?

私も元営業マンですが、これには(これにもですね)超驚きです。即納するには在庫を常に持っていないといけなくて、通常はコスト削減から在庫は少しでも抑えたい。

しかし同社はコストより顧客の満足度を優先しています。もちろん在庫管理にはデータを駆使して最適化させているのは間違いありませんが。

製造現場ではラインが止まることは電子カルテがストップするような事で、致命的な損失につながります。そんなピンチを同社なら救える。こんな会社が医療業界にあったら絶対に取引してほしいと思うでしょう。

社内体制

ご紹介したのはほんの一部ですが、知れば知るほど凄い企業だと感じます。よほど凄い営業マンがいるのだろうなあと思っていたら、ここも驚きます。

キーエンスは属人化を嫌います。優秀な人材は必要ですが、それに頼ってしまうと永続的な成長は難しくなります。人を育てると同時に、会社の仕組みを作り上げることに徹底的に注力しています。

仕組みという言葉がビジネス界ではよく使われますが、まさにこれが仕組みと呼べるレベルだなと感心しました。

医療業界は属人的で仕組みがないところが多いと常日頃感じています。キーエンスまでは無理にしても、しっかりした仕組みを構築出来れば、永続的な発展も夢ではないと考えます。

まとめ

本日は「大成功企業キーエンスの謎」の一端をお話して参りました。いかがだったでしょうか? ご興味の湧いた方は是非書籍をお読み頂ければと思います。

キーエンスにははかねてから興味がありましたが、あまり情報は出ていない企業でもありました。最近ようやく書籍が出てきて、成功要因の一端を知りことが出来て本当に良かったです。

製造業であり大きな企業ですので、クリニック経営とは関係ないと思われるかも知れません。確かに全てが全て当てはまる事はないでしょう。しかしながらそのエッセンスはどのような業種であっても、成功する必要条件だと考えています。

成功する事をしているから、成功しているのです。その事に気づき、自院の取り組みの中に組み込んで頂けばおのずと成功への道を歩むことになるでしょう。

それでは、また次号で!


編集後記

私が営業マン時代は、リクルート社が有名でした。営業といえばリクルート!というイメージがあり、実際すごい営業マンがたくさんいたのだと思います。

年収ももちろん魅力ですが、その仕組みや社員教育を受ける価値は計り知れないのではと考えます。

医療でも仕組みという言葉が使われ出しましたが、本当の意味を知っている方は少ないと思います。永続的な成功を生み出す仕組みは、簡単には生まれませんが、挑戦する価値はきっとあるでしょう。

私のコンサルティングもその仕組みを生み出せるよう、精進したいと思います。

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