ブレイブワンコンサルティングは、三重県、愛知県、岐阜県、静岡県を活動拠点にする医療コンサルティング会社です。
さあ、今日も医療マーケティングブログを始めましょう。
本日のテーマは、
「スタッフの声、聴いていますか? 」
当社のホームページに「医師のお悩みトップ3」というコンテンツがございますが、これは私が長い営業経験とコンサル活動を通じて感じた内容です。先生方と面談すると必ずスタッフ問題が話題にあがり、結局他の話が出来なくなるくらい盛り上がります(笑)。
スタッフ問題は、お悩みトップ3に必ず入ってくるほどの大きな課題。クリニック運営上の大命題と言っても過言ではないでしょう。
先生や奥様にお話を伺うと、
「スタッフとのコミュニケーション?充分かどうかわからないけど、ある程度時間をとっているから問題ないんじゃない?」
「先生は男性だけど、私(奥様)は同性ということで理解し合える部分も多いし。話し合いは出来ていると思うわよ」
このようなお答えを頂戴します。確かに注意してスタッフと話し合う機会を持ったり、個別に対処しているので大丈夫かなと思うのですが、
スタッフさんにこっそりお聞きすると、
「そんなはずないでしょ。自分たちの勝手な話だけして、私たちの話なんて聞く耳持ってないわ」
「私たちも雇われている身なので、あまり本音も言えず・・・。我慢するしかないのよね」
こんな感じで、労使の考え方に大きなギャップを感じることが多いんです。なぜこんなことが起こるのかを考えてみました。
認識ギャップが生じる理由
人間は基本的に自己中心的な生き物です。稀に自分よりも他人を優先する人がいらっしゃいますが、基本的には自分優先の人が多いはずです。
ですので人の話を聞くよりも、自分の話をしたい。一説によると話す事はSEXの時に放出されるのと同じ種類のホルモンが出るようです。本能なので仕方がないですね。特に企業のトップや経営者は余計ですね。自分の考えを浸透させねばという想いが強いからです。
しかし話す事を優先する人には致命的な弱点があります。それは情報収集が弱いという面。話す事に注意がいけば、自ずと聞く事から遠ざかります。聞く行為は、相手から多くの情報を引き出せる非常に有用な行為です。
むろん両方出来る方も見えますし、聞き方のテクニックに長けている方も見えます。先生方がそうであればいいんですが・・・・
かくして先生とスタッフの間には、こんな構図が現れます。
先生や奥様が一生懸命に話すが、内容や思いの少ししか伝わらず、スタッフは沈黙を強いられてストレスや反抗心が溜まるということです。いくら立派な理念を朝礼で唱和しても、何の効果もないという事態になります。
傾聴出来るかどうかがキーポイント
解決策は簡単です。自分が話すと気持ち良くて満足するように、スタッフもそうしたいんです。だったら聞くのではなく聴く(傾聴する)ようにしませんか?
診療の間にちょこちょこと聞くのではなく、しっかり時間をとって適切な場所で聴くのです。これが出来たら、おそらくスタッフ問題の何割かは解決するのではないでしょうか?
「そうは思うんだけど、忙しくてなかなか難しいんだよ・・・」
「聞いてはいるけど、そこからどうしていけば良いのかわからない」
このような難しさも出てくるでしょう。ご自身も心を入れ替えて(失礼)聴き方の勉強をしなければばりませんが、もし無理なら他の方法を考えましょう。
例えば信頼できるスタッフの1人に任せる方法。人選は難しい面もありますが、先生とスタッフ両方に信頼されているリーダー的な方がいればベスト。いなければ適切なスタッフに仲介してもらったりしましょう。
そういう方がいない場合は奥様にという方法もありますが、これは少しハードルが上がります。立場的に本音を言いにくいので、日頃から相談役に徹している賢い奥様なら可能かも知れませんが、あまり期待できない方法です。
思い切って外部のコンサルタントに依頼する方法もあります。傾聴の技術を持っているコンサルタント、人間的に確かなコンサルタントなど様々ですが、良い人ならありでしょう。外部の方なので相談しやすい面もあります(当社の宣伝ではありませんので)。
人的支援ばかりではなく、環境も大事。話しやすい雰囲気を作るのも大切ですので、食事会などの場を定期的に設けたり、個人面談の時間を組み込んでしまうのも良いと思います。
どちらにしてもこの問題は永遠に続きますので、スタッフの本音をくみ取れる人材、環境のどちらも整備していくようにしなくてはなりません。
まとめ
先生とスタッフが同じ目的に向かって共に支え合い、努力するのが理想ですが、現実は簡単にいかない場合もございます。しかしスタッフを大切にしないと、一気に全員退職という、最悪のケースも想定されますので要注意です。
地道にスタッフと会話をして、頑張ってくれたら褒めることも大切。ここで注意しないといけないのは、クリニックの為に我慢して聞くという打算的な姿勢ではダメだという事。すぐに見透かされますので、スタッフと会話を楽しむくらいの気持ちで臨んで下さい。
悪い面ばかり申しましたが、コミュニケーションがしっかり取れればクリニック運営にもプラスになり、患者さんへの対応なども良くなるはずです。非常に得るものは多いので、是非実践して欲しいと思います。
最後までお読み頂き、有難うございました。
◇編集後記
昔から「口はひとつ、耳はふたつある理由を考えなさい」と言われてきましたが、きちんと聴くことは意外と難しいものですね。勝手なものですが、人の話はそこそこで自分の話はよく聴いて!というのが本音。待ち時間や診察に対する患者さんの声と同じです。
だからこそ”聴く”能力は武器になるとも言えます。人間関係を作る上で非常に効果のある”聴く”能力を、忙しい先生にこそ学んで欲しいと思います。
毎日ワクワクして、先生とスタッフが仕事が出来るクリニックを創る~ブレイブワンコンサルティング