ブレイブワンコンサルティングは、三重県、愛知県、岐阜県、静岡県を活動拠点にする医療コンサルティング会社です。
元医薬品卸出身で各地区に幅広く深い人脈を持っていますので、新規開業のお手伝い、既存先の経営改善に対して様々な視点で改善策を提供します。
またマーケティングによるクリニック経営を考えていきますので、患者さんの満足度を最高値に高める提案を致します。新規開業を考えている先生、経営が今ひとつ上手くいっていない先生、効果的なHPを作りたい先生等々、是非ご相談下さい。
さあ、今日も医療マーケティングブログを始めましょう。
本日のテーマは,
「自分の利益ではなく、他者の利益を優先する」
仕事や人生で疲れた人がよく言う台詞、「誰もいない世界に行きたい」。気持ちはわかりますが、この世の中で人と一切関わずに生きていく事はあり得ると思いますか?
山奥の工房でたった一人作品作りにをしている方でも、材料の仕入れや、販売の手続きなどどこかで他者と関わらなくてはならないと思います。必ずどこかで人と、なにがしかの関わりを持っているはずです。中には完全に独りでは生きている方もみえるかも知れませんが、ほとんどの場合は難しいでしょう。
そして人との関わり合い方が、人生を決めると言っても過言ではないと思います。本日はその中でも「利己・利他」「先に与える」という視点でお話して参ります。
残念な営業パーソン
開業していると様々な業者さんが営業に来ます。電話、メール、FAX,、直接訪問など。業者さんの対応に追われてる先生も多いと思います。面会日を設けたり、明らかなセールスは断ったりしているでしょうが、彼らも仕事ですので粘り強い人もいて大変だとお察しします。
中には巧妙にアポを取り、強引にかつ執拗に攻める営業パーソンもいます。たしかに営業職は自社の商材やサービスを販売するのが仕事ですが、ギブアンドテイクですのでお客さんのメリットにもならないと取引ではないですよね。
しかし相手の利益よりも自社の(自分の)利益を最優先、売れればいいという人も大勢存在するのも事実。営業職のイメージを悪くする元凶です。
私は元営業職ですので気持ちはよくわかりますが、この「利己的な仕事」「奪う仕事」は一時的には成果が上がっても永続的な繁栄は決して望めません。もっともそういう人種はそんなことは考えてもないかも知れないですが(苦笑)。
長い営業経験、ビジネス経験から言わせて頂くと、相手の利益を本当に考えれるようになった時に初めて売れ続けます。誰もが自分が一番大切で、自分の利益が最優先。それは違うとは言いません。
しかしそこだけを追求してしまうと取引は、いや人間関係は決して構築出来ないのです。相手の利益を真剣に考えるから、相手も私の利益を考えてくれるのです。これは人間対人間の根本的な原理原則です。覚えておいて下さい。
与えることが出来る人達
以前見たネット記事「元ナンバーワンホステスのAさんの話から始めたいと思います。
夜の世界で指名を取るためにホステスさんも営業活動をします。指名が少ないと収入に直結する厳しい世界。そんな夜の世界で人気者になる秘訣は、一体なんだと思いますか?
「芸能人なみのルックスと、スタイルの良さでしょうね!」
こう思いがちですね。もちろん外観も重要な要因ですが、それだけでは長きに渡ってのナンバーワンには絶対になれません。
銀座のトップホステスの方の本も読んだことがありますが、成績の良いホステスさんは、ほぼ全員かなり勉強されてみえます。容姿を磨くことは最低条件、接待で来店するお客さんに気に入られるためには、経済新聞やビジネス本などをかなり読みこまなくてはならないそうです。
さらにお客さんの情報収集も大切。属する業界、会社、最近の話題などを知った上でないと、そのお客さんの事は理解出来ません。酒席でも男性は仕事の話を好みますので、会話を弾ませるには最低限の知識は必要となります。人は自分の事を知ろうとしてくれる人を、好きになるものですから。
そして非常に大事な要素として、夜の世界で生き残っていく人と消えてしまう人の差について“営業力”をあげられていました。
営業力といっても“ゴリ押し”や“しつこく電話する”といったものではありません。「誘いの電話やメールをするだけのホステスは、すぐに消えてしまうんです」。
指名を取るために勧誘をかける。電話をかけたり、ラインでメッセージを送ったりする…これもひとつの営業かもしれない。しかし、営業をかけられた相手はどうでしょう?
始めのうちはいいとしても、そのうちに「うっとうしいなぁ」と思うようになり、そう遠くないうちに無視されるようになってしまうのではないでしょうか? 何故かというと、お客さんの都合や利益ではなく、自分の得しか考えてないから。上手く隠しているつもりでも、相手には伝わります。
トップホステスはそんな愚行はしません。勧誘の代わりに、お客様にとって有益な行為をする。お客様の職種にマッチしたお役立ち情報を送ったり、仕事につながる人を紹介したりといったことを繰り返ししているそうです。
当たり前で簡単な話のように聞こえますが、なかなか出来るものではありません。ましてや継続する事は至難の業。このホステスさんは自分の利益ではなく、お客さんの利益になることを考えて実行しているのです。これが「与える」という事ですね。ポイントはここで、経営者やビジネスパーソンも大いに見習うべき点なのです。
経営者が学ぶべきこと~「奪う」から「与える」へ
この話を聞いて、営業活動とほぼ同じだなぁと思いました。どんな商売であっても自分の利益だけを考えた仕事、売らんがための行為をしても結果にはつながらない。やればやるほど嫌われるだけで、むしろ逆効果になります。
どの世界でもそうだと思いますが、自分の利益をちょっと脇に置いて、相手の役に立つ行為をすることこそが成功の黄金則です。でも言うほど簡単ではありません。誰しも自分が一番大切で、自分の利益を最優先することが遺伝子レベルのお約束です。
しかしこの利己スタイル営業は絶対に成功しません。一時的に成果を上げたとしても、絶対に長続きはしません。
お客さんの立場になったらわかることですね。でも私も若い頃はこういう傾向が強かった。だから苦しみましたね。何故売れないか悩み苦しみ、もがいた。理屈はわかっても、行動が変われない。
そういう日が続いたある日、フッと気が付いたんです。自分のことは後回しだ。お客さんの求めていること、悩んでいることを第一に、役に立とうと思った瞬間から、私の営業は変わったことを今でもはっきり覚えています。
“奪う営業”から“与える営業”にスタイルを変えた瞬間でした。
売れない営業マンは「今契約が取れないとヤバい。だからお願い!契約して」といったスタンスで活動をします。
でも自分の立場が苦しいことはお客様には関係ない。どんなに足を運ぼうが、どんなにお願いしようが売れるはずないですね。そしてこういう自己中心的奪う営業マンほど、後はあまり親身になってくれない。だから売れていないとも言えます。
与える営業マンは、お客様にとって本当に役立つ情報を必死で探して提案します。
住宅営業の例を見てみましょう。家を買おう、家が欲しいという方は自分の理想のイメージを持っていますが、実は他人が失敗した話を知りたいそうです。成功例もさることながら、失敗例を確認することで自分はそうならないように出来るからですね。
行動心理学でも実証されていますが、人は得ることよりもなくす事(損失)を何倍も強く感じるそうです。成功したいけど、それよりも失敗したくないという心理が働きます。ですのである優秀な営業マンは、家づくりを考えているお客様に対して過去のお客様が失敗したり、後悔したりした例を編集して提供していたそうです。
・もっと洗面所を広くすればよかった
・コンセントをもっと増やせばよかった
・窓をもっと大きくすればよかった
等々、家を建てるまで気が付かない事を予めまとめて提案していました。この情報提供が功を奏し、トップ営業マンとしての基盤になったとの事です。
そして特筆すべきは、彼は「この情報を提供したら契約が取れるのでは」といった打算的なものではなく「自分から家を建てなくてもいい、でもこれだけは知ってもらいたい」というスタンスで仕事をしていたのです。
“見返りを求めず価値を提供する”ということ。簡単ではないが、きわめて重要な考え方。ビジネスで結果を出すためにぜひ覚えておいてほしいと思います。
まとめ
利己的ビジネスパーソンと利他的ビジネスパーソンの比較を例に、与えることの重要性をご紹介致しました。
優秀なビジネスパーソンの書籍やインタビューを拝見すると、こういう言葉をよく見ます。
「買ってもらえるかどうかは別として、とにかくこれを知ってもらいたいんです」。
同じような行動をしても結果が出ない人は「人から奪おう」という気持ちが強すぎるのではないでしょうか。だから同じような行動をとっても「なんか怪しい」と警戒されてしまう。いいところまで話が進んだとしても最後には逃げられてしまうんですね。
奪う営業では結果は出ない。リモートでもリアルでも“今の自分に何が提供できるのか?”を意識しながら行動することが重要で、これを続けることで、長く活躍できるようになる。
逆に“価値を提供し続ける”という考え方を知らなければ、いくらすごい人でも短命で終わってしまう。
いや本当にその通りだと思います。お客様は早く商品が欲しいが、損はしたくない。騙されたくはない。ですので近づいてくる営業マンには最初は警戒します。知識、経験はあるのか、会社や関係者との交渉に力はあるのか、そもそも信頼に足る人物なのかを常に注意して観察しているのです。
そんな中、私利私欲は一旦置いておいて、目の前のお客さんのために真実を告げる、自分の仕事を裏切らないためにここだけは知って欲しいという姿勢を感じることが出来たなら、その人から買いたいと思うはず。これが人の本質です。
医療においても全く同じ事が言えます。医療だから仕方ないという特別意識は捨てて、目の前の患者さんの為に何が出来るかだけを考えましょう。そうすれば、必ず結果はついてきます。
最後までお読み頂き、有難うございました。
(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明さんの記事より一部引用させて頂きました)
◇編集後記
今回お話した事は誰もが知っていますが、実際は出来ていないことです。そして効果はすぐに出ませんが、必ずあなたに跳ね返ってくる強力なマインドであり、スキルです。是非覚えておいて下さい。
医療マーケティングを実践します!ブレイブワンコンサルティング