こんにちは、ブレイブワンコンサルティング代表 岡本です。コロナ患者さんの対応や発熱外来の対応など、本当に大変お疲れだとお察し致します。ご自身やスタッフが体調を崩さないよう、しっかりご自愛ください。
さて、社会情勢は混沌とし目まぐるしく変化していますが、ノー天気で無自覚で、変化しようとも思っていない職種の方を知っています。
それは・・・政治家!
国の政治を動かす大事な仕事を職業としているのに、相変わらずの人を人とも思わぬ失言の繰り返し。傲慢さを感じずにはいられませんが、実は意外なところでも同じようなことを行っている人たちがいるとしたらどう思いますか?
目次
一般社会とは、決定的にズレた感覚が起こる理由
政治家の行動や言動を目にするたびに思うのですが、この人たちはどういう思考回路をしているのでしょう?
「女性は子どもを産むことが仕事だ」とか「同性愛者は生産能力がない」とか、法外な収入を得ていても生活が苦しいとか、庶民感覚どころか選民思想にでもはまっているのかと思わずにはいられません。このような考え方、感覚のずれはなぜ起こるのでしょうか?
私の周囲にも政治家(せいぜい県議レベルですが)はいますが、距離を置いた会話をしている限りはズレはあまり感じません。ですのであくまでも推測の範囲内でしか分析できませんが、おそらくその人を取り巻く環境が大きいのではと考えます。
政治家を目指す過程では起こりにくいズレですが、政治家になって昇進していったり、年数が経つにつれて少しづつズレてくるような気がします。
周囲の人たちに「先生」と特別扱いされ、注意する人の割合が減ってくると人は自ずと傲慢になってくるのだと思います。さらに政治家は国政を動かしていると誤解し(実際そういう人もいますが、そうでない人の方が圧倒的に多い)、さらに傲慢さに拍車がかかります。
もちろん持って生まれた気質のあるでしょうが、環境の影響も非常に大きいのではないでしょうか?
そして、この現象は政治家だけでなく他の職業にも当てはまります。すでに気づかれた先生もいらっしゃるかも知れませんが、医師にもそういう方が一定数存在しています。
医師の感覚
本題に入りますが、「一般社会とズレた考え・感覚」「それに基づく傲慢さ」は当ブログの読者である先生方にも当てはまるのです。
医師になる環境を考えると、全てではないですが、
- 幼い頃から勉強が出来た。
- 親が医者である。
- 医学を志す強力なモチベーションを得る経験があった。
などが考えられます。小さい頃から少し特別で、ちやほやされたり英才教育的な環境の中にいれば、周りより優れているという意識になってもおかしくありませんね。誤解なきように申しておきますが、もちろん全員ではありませんがその傾向が強いという意味です。
一般の社会人経験もなく、医師になり勤務医になります。病院内でも上下関係はあるでしょうが狭い範囲ですし、上司である医師も同じような環境で育ってきていますので、社会人としての適切な指導という意味ではあまり期待できない気がします。
だから人として間違った事をしたり、他人を傷つけるような言動・行動においても感性がズレてしまいます。それを修正してくれる人に出会えた方は幸運でしょう。こうして政治家とはまた違った、考え方と感性のズレたまま開業医になろうとする。それがどういう事か、ここをよく知っておいて欲しいと思います。
開業医規模ですと通常はスタッフ数5人程度、規模の大きいクリニックでも数十人でしょう。それに地域の住民や関係する業者さんを加えた数が、先生の基本的な人間関係の範囲です。
その方々に対して先生が与える影響は非常に大きいもので、出来るならば良い影響を与えて頂きたいのです。
しかし現実はこういう事が起こっています。
- 「スタッフが仕事をきちんとしない。注意しても直らないし、イライラする」
- 「自分の言った事をスタッフが理解出来ない。高卒レベルなので仕方ないけど、頭悪すぎる」
- 「聞いてませんって、あの業者はダメだ!もうキャンセルしてやる!」
ほんの一例ですが、自分に非はないのかなという不安などなく、全て他者のせいにして文句ばかり言う院長は非常に多いのが事実です。
スタッフが一番の宝だと言いながら報酬をケチったり、ミスを怒鳴ったり、患者に怒ったり。そうでない先生から見たら信じられない話だと思いますが、現実に起こっているのです。まさに裸の王様ですね。
開業医の院長として、是非知っておいて欲しいこと
思い当たる先生には耳の痛い話をしましたが、事実ですし、厳しいビジネス社会では通用しない事でもあります。医師だからこそ、まかり通っていることですね。
というわけですので、多かれ少なかれ自分にも起こっている事だと自省して頂き、どうしたら良いかを考えていきましょう。
先生に忌憚なく意見をしてくれる存在を持つこと
第三者的に率直に意見を言ってくれる存在は、嫌な気もしますが本当は大変有難いものです。それは奥様かも知れませんし、大先生かも知れませんし、友人かも知れません。気骨のある業者さんかも。
医院経営を理解し、患者さんやスタッフの気持ちがわかる方で具申出来る方を是非見つけて欲しいと思います。この場合の注意ですが、何があっても真摯に聞くこと。なおざりに聞いたり、遠ざけたり、逆ギレもいけません。
様々な考えに触れる
人間がどうしても自分が正しいと思う考えに固執しがち。医療ばかりではなく、人間関係を学べる本や社会を知る本なども積極的に読んでみましょう。
また交友関係も狭くなりがちですので、業界とは全く関係のない方と話す機会を持つと良いと思います。
大切な人の幸せに貢献する
先生にとって大切な人はどなたでしょう。ご家族、友人、スタッフ、患者さんでしょうか。
その大切な方を幸せにする!という強い決意があれば、日々の診療や業務での言動・行動は必ず変わってきますし、相手にも伝わります。そして医院経営にも必ず跳ね返ってきますので、是非行動してください。
まとめ
本日は政治家の暴言・失言の話から、開業医の院長として、また人間としての話をお伝えしてみました。いかがだったでしょうか?
ここまでお読み頂き、ご理解頂けた先生であれば、もう裸の王様ではありません。大切なスタッフや患者さん、業者さんとの良い関係を構築していけると思います。
常に自省しながら、謙虚に、かつ大胆細心の配慮を持って医療経営にまい進して頂きたい。ご自愛頂きながら、頑張ってください。
それではまた次回。
編集後記
医療コンサルタントの書いている記事を拝見すると、こういう顧客にとってあまり聞きたくない話って書かないんですね。だれしも嫌なものですから。
でも本当にクリニックを良くしようと思うなら、避けて通れない一番重要な部分です。私が卸時代に嫌というほど見てきたシーンですから。
人間はなかなか変われない存在ですが、反面決意したら変われる存在でもある。期待しています。