ビジネススキル

ダルビッシュ有に学ぶ

こんにちは、東海圏(三重県、愛知県、岐阜県)を主なエリアとする医業経営コンサルタント「ブレイブワンコンサルティング」の代表、 岡本と申します。

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ワールドベースボールの開催が近づいてきています。今や大リーグで活躍する日本人も多くなり、そういう選手が凱旋し日本代表として各国の強豪と戦う図は頼もしく思えます。個人的にはダルビッシュ有選手が一番好きで、その理由も含めて経営に参考になると思われる考え方、戦略をご紹介したいと思います。

ダルビッシュが活躍する理由

日本ハム時代も球界を代表する投手でしたが、皆様もご存知にように渡米後も大リーガーとしてずっと第一線で活躍している凄い選手です。彼は確かイスラエル人とのハーフで、体質的にも日本人以上の素材を持っているのかも知れませんが、一番感心するのは考え方です。

投手として目指す目標に到達するには、何をすれば良いのかを徹底的に考えて実践出来る稀有な選手だと感じます。私は彼の自伝(あるのかないのかも知りませんが)などは読んだことはありませんが、新聞のコメント、ネット記事のコメントで計り知る事が出来ます。

彼は野球を高いレベルで長く行っていくには、まず体をしっかり作っていかないといけないと考え、体の仕組みに精通し、栄養学もかなり勉強したようです。今は専属の料理人を雇ったり、栄養士をつけるケースも多いですが、当時から継続して成果を出せている選手はそれほど多くないと想像します。このような地道な努力のおかげで、故障なく活躍する素地が出来ているのですね。

また「スキルを言語化出来ている」という点も素晴らしい。

ダルビッシュ選手はスリークォーター気味な投法で、よく曲がるカーブを投げるのには不向きな投法らしい。でも投球の幅を増やす為にカーブをマスターしなくてはならないと考え、独特の肘の使い方を考え、会得したそうです。

Youtubeで実際に見ましたが、素人でもなるほど~と唸らせる説明でした。このように野球の素人にもわかるほど簡単にわかりやすく言語化している野球脳に感心しました。

また今回のワールドベースボールのコメントで、一番面白いと思ったのは、

「投球法、球種にもトレンドがある。常に少数派にいることが大切だ」

え、一体どういう意味?と思われた方もみえると思いますが、私もビジネスでは差別化する為に個性・独創性を出す事が大切だと常に考えています。偶然にも同じような考えをしているダルビッシュ選手に共感を覚えました。

人間の特性上多数派に入ることは安心感がありますが、やることが読める、差別化出来ないという事とも言えます。野球でいえば球種や攻め方が読みやすいともいえるのではないでしょうか? 常に少数派を目指す事で球種や配球を読みにくくし、予測を立てにくくするメリットは非常に大きいと感じます。

また同じ球種でも幾通りかの投げ方を考えて実行しているとの事で、これも予測を外す戦略のひとつでしょう。これはボクシングでも同じで、左ジャブでも様々な軌道、速度、角度を駆使して予測しにくくする技術と同じだと思います。

ダルの戦略を、経営にどう当てはめる?

「でもそれは野球やボクシングの話であって、医業経営とは関係ないでしょう?」

このような疑問をお持ちになったのではと思いますが、私が営業マン時代に行ったように、先生方の経営にも当てはめることが充分可能です。

今やクリニックはコンビニよりも多い?と言われる時代。エリアの差はありますが、数だけでいえば医療機関探しにはもう困る時代ではありません。しかし選ばれる医療機関側からすれば、何とかして他ではなく自分のクリニックを選んで欲しいのが本音。ここで差別化というキーワードが出てきます。

結論としては、他のその他大勢にクリニックではなく、自院はこんな特徴があります!と患者さんに知ってもらわなくてはならない時代なのです。

ここでダルビッシュの戦略「少数派になれ!」が活きてきます。医療機関が提供出来るサービスは、残念ながらどこも大きな差はありません。突拍子もない事がしにくい業種でもありますので、出来る範囲内で考えていかなくてはならないのです。

例えば耳鼻咽喉科を例にとりましょう。

耳鼻咽喉科の代表的な疾患は花粉症ですが、花粉症の治療はどこの耳鼻科医も同じだと思います。しかし地域の競合の提供している医療・サービスを分析し、舌下免疫療法での治療やゾレア接種はあまり行っていないと仮定した時、この2つを全面に出して特徴づけるという戦略が成り立ちます。

もちろん提供する医療やサービスは的確かつ適切であるのは大前提ですが、ぞの上で舌下免疫療法やゾレア皮下注の効果的なPRをしていくことは、少数派になりうる戦略。このような自院と他院の戦力分析と戦略分析をきちんと行えば、突破口は見つかると思います。

まとめ

本日は「ダルビッシュ有の戦略を医業経営に当てはめる!」というテーマでお話して参りました。いかがでしたでしょうか?

常に少数派になり、同じスライダーでも幾通りの変化を生み出す投げ方を医療経営に当てはめていけば、課題は打破出来ますのでしっかり見つめていって頂きたいと思います。

それでは、また次号でお会いしましょう。


編集後記

ダルビッシュ選手のインタビューや動画を見て思うのは、非常に相手の事をよく考えて話をしているということ。またお付きのトレーナー陣もああまりいないようで、自分で大量のトレーニング機材などを運んでいる姿は印象的でした。

それをインタビューされると、「自分の仕事なんで。トレーナー陣を率いていた時もありましたが、なんか勘違いしてしまいそうでやめました」と話していたのも非常に記憶に残っています。

やはり謙虚さと、たゆまぬ向上心は大切ですね。ダルビッシュ選手、頑張って下さい。

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