医療DX

先生のクリニック、こんなことをやっていませんか?

こんにちは、東海地方(三重県、愛知県、岐阜県、静岡県)を拠点に医業経営コンサルタントとして医療機関、薬局様を支援するブレイブワンコンサルティング代表の岡本です。

新規開業を考えているが何から手をつけたらいいのかわからない先生、開業したものの患者数が伸び悩み苦しんでいる先生、スタッフが思うように働いてくれないというお悩みを抱える先生の問題解決を専門としています。宜しくお願い致します。

医師をお客様としながら医師に厳しいコメントが多いと言われますが、お客様に良くなってほしいから。ですので今日も辛口で参ります(笑)。

医療は患者さん主体の時代と言われて久しいですが、先生のクリニック、まさかこんなことをしていませんよね?

当院のルールは・・・

「当院の決まりでして・・・」

「予約方法は〇〇〇で、これは当院のルールとなっておりまして・・・」

「そんな事言われても、決まりは決まりですので・・・」

この言葉、実は医療機関では知らずに頻繁に使われているのです。私のクライアントの医療事務さんと話をしていると、結構な頻度で会話に登場してきます。また実際の患者さんとの会話を聞いていても、よく耳にしますね。

これは医療機関に限らず、飲食店やお店でも同様です。もしかしたら先生もこのような内容で、冷たい対応をされた経験があるのではないでしょうか?

確かにどこの店舗、どこの企業でも決まり事はあります。客であっても最低限守るべき事はありますし、立場は対等ですので媚びる必要も全くありませんね。

しかしながら、その事と自分のところの決まりを押し通す事とは違うような気がします。お客様のためにというよりも、いつの間にか自分中心の考えになっていませんか?自分のクリニックの事を一度思い浮かべてみてください。

誰の為のサービスなのか?

例えば、身近なweb予約や問診を例にとりましょう。

高齢の方でデジタルがあまり得意ではなく、何回やってもきちんと予約が出来ない。こういう例は結構あると思います。何回も説明するのは確かに面倒ですが、今の高齢世代はデジタルに親和性は高いといっても、ネイティブほどではありません。また記憶力や理解力はどうしても低下してきますので、仕方がありません。その年になってみるとわかるようになると思います。

web予約が出来なければ電話で受け付けて、今度から出来るように操作方法を教えたり、説明書を渡したりします。次もまた一緒かなあ・・・と思っても、親切に説明する事が必要です。

問診も同様に上手く出来ないので、院内で問診表を記入してもらうという流れになるでしょう。問診は非常に重要なツールですので、やりにくいからと言ってきちんと書かないで済ますよりも、はるかに診療上メリットは大きいのです。

しかし意地悪な方、杓子定規なスタッフに当たると、

「またやれないの?前にも説明しましたよね?webで予約、問診はうちのルールだからきちんとやってもらわないと困るのよね」

身の毛もよだつ、応対をされてしまいます。悪いと思っているのにこんな事を言われたら二度といきたくないと思うでしょう。

そもそも、一連の医療の仕組みやサービスは一体誰の為なのかを考えないと、いつの間にか”スタッフの為の決まり事”みたいになってしまいます。誰の為に存在しているのかを再度考える必要があります。

医療は特別!という誤った解釈をする医師やスタッフがいますが、あらゆる仕事はそれを利用する誰かの為に存在し、より良く進化していくもの。提供したサービスの対価として、代金を頂戴するわけですので、自分の事しか考えない提供者は淘汰されていくのは自然の必然です。

守らないといけない事とそうでない事

当たり前ですが、法律や診療報酬で決まっていることは守らなければなりません。ここの解釈を曲げてしまうと不正になりますからね。でもそういう話でもないのに、面倒だからとか意固地になって譲らないというのはいかがなものかと言いたいのです。

自院を選んで来院してくださった患者さんの、病気を治したり健康を取り戻す事が医療機関の務めですので、優先順位の低い自院の決まり事に反した場合でも柔軟に対応するケースもあって良いでしょう。

医療の効率化も大切で、効率の良い医療であればその恩恵は患者さんにも巡ってきますので、どんどん進めなくてはなりません。しかし効率を重んじるあまり、優しさを失っては本当の医療ではないと私は考えます。

効率化はあくまで「患者さん」を中心として、その上でいかに使い勝手を向上させるかを考えていくのが本筋だと思います。自分たちにとって効率的な仕組みを導入したが、誰も使わない、そもそも患者さんから敬遠されるような仕組みでは本末転倒。

何を、誰を優先するのか、あらゆる場面で考えて行動してこそ、患者さんから選ばれる医療機関になれると信じています。

まとめ

本日は「やりがちな失敗」の一例として、事例をご紹介致しました。いかがだったでしょうか?

少し話がずれますが、私も営業マン時代、同じような事をした経験があります。自社のルールですから無理とか、今は忙しいので対応出来ませんとか・・・。自分の事しか考えていなかったと反省していますが、その後はこの失敗を活かしてこう考えるようにしました。

自社のルール、自分の状態はこうだけど、お客さんはどう考えるだろうか?

自分の状態がこうだから理解してよねって、言っているのと同じことでは?

お客さんには何の関係もないのでは?

このように考えるようになって、甘える事なくお客さんの立場になれて上手くいくようになりました。決まり事やルールとは若干違うかも知れませんが、大きく見れば本質は同じような気がします。

考え方、立ち位置を少し変えるだけで、大きく状況を変える事が出来ますので宜しければ参考にしていただければ幸いです。


編集後記

唐突ですが、最近の温かさに春を感じますね。いつもの事ですが、何を着ようか迷う時が増えて困ります。冬バリバリではちょっと遅い気もするし、春物だけだと寒い(笑)。

服装ってその人の印象を左右する要素にもなりますので、仕事柄わりと気を使います。とりあえず週末は春コートを買いにいってきます!

-医療DX