マネジメント方法

”ブラック企業はダメ、ホワイト企業は良い”は、本当に正しいのでしょうか?

こんにちは、医療コンサルタント会社ブレイブワンコンサルティング代表です。私どもは東海地方(愛知、岐阜、三重、静岡)を主なエリアとして、クリニック様を中心に経営改善指導をさせて頂いております。宜しくお願い致します。
今日もクリニックの経営や運営について、マーケティング視点を交えながらお話させて頂きます。

働き方、仕事に対する考え方の変化

高度成長期から20年ほど前までは、仕事中心、会社中心の社会であったように記憶しています。毎日朝早くから夜遅くまで、家庭の事は奥さんに任せて仕事や会社が大きなウェイトを占めていました。男性の人付き合いという面でも、大部分が会社や仕事関係が多かったのではないでしょうか?

家族や個人の生活を重視する欧米社会とは大きく違い、世界基準でいけば奇異に見えていた事でしょうが、日本の中ではあまり違和感を感じませんでした。

しかし時代は変わり、日本もようやく個人の人生に目がいくようになりました。仕事や会社中心の考え方がおかしい?と思い始め、欧米との差も皆が知り始めて、働き方が見直される社会、違法に社員をこきつかう企業が糾弾される時代になりました。ブラック企業という名が使われだしたのも丁度この頃ですね。

コロナ禍からの経済的立ち直り、人口不足問題なども合わさって、多くの方がより条件の良い会社、ホワイト企業を目指すようになります。

また今の就職世代はガツガツ働くようなスタイルではありませんし、お金よりもプライベートな時間を優先しますので、尚更ホワイト企業が脚光を集めているようです。

賃金の格差も含めて、働く側にとってはいい時代になってきたとも言えますね。

ホワイト企業の退職が相次ぐ現実

このような時代背景、社会的な意識の変化を踏まえて、会社選びも大きく変わってきています。

ネット社会の良さでもあり怖さでもありますが、ノルマや残業の多い会社、労働条件と大きな相違のある会社などはあっという間にブラック企業のレッテルを貼られてしまい、採用に大きな支障が出るでしょう。

前述した内容とは正反対の、労働条件のよい会社が選ばれるのは間違いない。そう思うのですが、実際はそうではない事例が多発しているそうです。

事例 条件もほどほどで、仕事の楽な会社に入社したS子さんのケース

ブラック企業から半年前に転職、念願のホワイト企業に入社できたS子さん、入社当時は毎日が輝いていました。給料も業界水準、仕事のノルマもなく会社からの圧もない、前職とは真逆のホワイトさ。業務もゆっくりマイペースでしていけるので、文句はほぼなかったようです。

しかし入社から半年後、退職を決意しました・・・・。

なぜ人も羨む会社を捨てる気になったのか、先生ならどう考えますか?

何が原因だったのか、現場を見ていきましょう。

S子さんの毎日の時間の流れはゆったりしたものでした。自分のペースで(以下で)ゆっくり仕事が出来る環境を最初は気にいっていましたが、1か月もすると時間を持て余すようになりました。

「まだ10時かあ・・・」

やがて時計ばかりを見るようになり、ため息をつくことが増えてきました。労働条件、環境、人間関係が良好なのに、達成感や満足感が得られない日々に嫌気がさして退職しました。

「なんて贅沢な話だ。結局ないものねだりなんだよな」

こう感じられた方も多いと思いますし、私も最初はそう感じました。しかしながらS子さんの悩みには、皆に共通する大きな問題が隠されていたのです。

満足のいく働き方とは?

大きな問題、大きな勘違いとは一体何なのでしょうか?

それは、人は恵まれた条件や環境、お金だけでは決して満たされないという事です。もちろんお金は必要ですし、多いに超したことはありません。残業も少ない方はいいでしょう。しかし、それだけでないのです。

前述のS子さんはこう語ります。

「時間が経っていかなくてため息をつく自分や、仕事で何かを成し遂げたという達成感はなかった自分を振り返りわかったことがあります。

自分には残業してででも、休日も仕事をしてででも成し遂げる何かが欲しかった。職場のみんなと一緒になって誰かの役に立ちたかった。

困っている誰かの役に立っている自分になりたかった。贅沢なのはよくわかっていますが、それが本当の気持ちです」

私は現在62歳ですので、超ブラック企業が横行していた時代に働いていました。前職の営業マン時代の会社は大きな会社ではありましたが、ノルマ至上主義の墨汁のような?超ブラック企業でした。

何とか続けてこれたのは、S子さんの言うように「達成感」と「お客様への貢献感」でした。それに加えて苦楽を共に出来る仲間がいたことですね。これこそが人が仕事に求めるものだと私は思います。

先生のクリニックはどんな職場でしょうか?

ブラックですか、ホワイトですか?

労働条件や環境への配慮は当然ですが(当然ですよ!)、やりがいや成長、達成感を味わえているでしょうか? 一度よく振り返って頂きたいと思います。

まとめ

人の本質はローマ時代以前から何も変わっていないと言われています。生きていかなくてはいけませんが、社会と人とつながって生きていくことが本質であると思います。

スタッフの働きやすい、やりがいのあるクリニックにしていく為に、全力を尽くせば自ずと答えは出てきます

それでは、また次号でお会いしましょう。有難うございました。

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