こんにちは、東海地方(愛知県、三重県、岐阜県、静岡県)を主なエリアとして活動する医業経営コンサルタント会社「ブレイブワンコンサルティング」代表の岡本です。
医療機関を内外から経験した私が、新規開業を志す先生、経営改善したい先生、日々の心の充足を希望する先生など、医業に関するお困りを解決する支援をしております。
目次
変化の兆しは起こっている
chatGPTのニュースが世間をにぎわしています。まだ黎明期ですので話題性も高い分野ですが、すでに今の段階でAIへの脅威論も同時に高まっています。映画「ターミネーター」シリーズの中で、人間に反乱を起こしたスカイネットのような存在にならないとは誰にも言えないのが恐ろしいところ。
AIが社会に与えるインパクトは非常に強烈で、私たちの暮らしや仕事が激変する時がもうそこに来ている気がします。社会的な影響はとりあえず置いておき、私たちのフィールドである医療にどんな大変革をもたらすのか、考えてみました。
私がいつも視聴するYoutube「wevery!チャネル」の動画をご覧ください。
ご存知の方もみえると思いますが、分院展開をしておられる「医療法人社団モルゲンロートの小暮理事長」との対談です。動画の主旨は今回ブログの訴求点とは少し違いますが、後半は業界に与える影響の話になっており非常に興味深いものです。
今は時点ではAIは社会を良くするとか、職が奪われるとか賛否両論ですが、今後のテクノロジーの発達により間違いなく社会に必須の技術になると確信しています。そして当然ですが、医療にも大きく関与してくるでしょう。
AIが出来ること、人より優れていること
皆様ご存知の事ばかりかと思いますが、医療がどう変わるを見ていきましょう。
事務作業の大幅な効率化
AIは日々たくさんの媒体からディープラーニングしていますので、日々飛躍的に進歩しています。人間1人が理解できる範囲など、あっという間に凌駕していきます。
例えば現在クリニックの事務員が行っている事務作業の大半は、残念ながらAIが簡単に処理してくれるでしょう。受付、各種証明証のチェック、問診表転記、紹介状記入、レセプト業務、クラーク業務等々。効率化、省力化する部分の筆頭かも知れません。こうなった時、院長先生ならこう考えませんか?
「医療事務を削減できるなあ・・・人件費が浮くね!」
と喜ぶ院長もいるかも知れませんが、マーケティングの視点で見ると少し近視眼的な発想です。
こう目論む医師も、AIの前では実は安泰ではありません。
すでに診断をするAIは登場していますが、検査の指示、治療提案までも出来るのにそう時間はかからないでしょうし(すでに到達している?)、聖域的な?患者さんとの会話すらAIがそつなくこなします。感情にムラがある先生やコミュ障の医師よりも遥かに上手く会話できるかも知れません。
クリニックの受付から診察の部分まで、いわば医療の根幹ともいえる部分までAIに浸食されそうです。
他の業種でも同様な事が懸念されていますが、私たち人間は何をどうしていけばAIに対抗できるのでしょうか?
今からやっておいた方が良いこと
AIの到来を受けて、私たちや医療機関はどう変化していけばよいのか、差別化する為にどの方向に舵を取っていけばいいのかを考えてみました。宜しければ当ブログをご覧の先生も、一緒にお考え下さい。
今後鍛えていきたいヒューマンスキル~洞察力
私は患者さんとの会話、触れ合いに関してはAIにはまだ負けないと思っていましたが、動画内の話では決して安心出来ないのかもと思い直した次第です。実際にMicrosoft社の「Bingチャット」を使ってみましたが、想像以上に話がかみ合うし、人間にような(以上かも?)気づかいや配慮も最早実用レベルです。おそるべしAIですね。
とはいえその方に応じた、TPOに応じたお話はまだ人間の方が優れていると思ってしまいますので、私たちとしては”洞察力と会話力”を強化していくべきだと感じています。
「毎月みえる○○さん、今日もお変わりなそうだな・・・」
「〇〇さん、今日は素敵なブルー系のお洋服。いつも実年齢より何歳か若く見えて、さわやかな印象で素敵!」
このようにお越し頂く方に興味を持って、よく観察すること。顔色や体調の良し悪しなんかもわかるはず。微妙な変化を見逃さない、これが洞察力ですね。
今後鍛えていきたいヒューマンスキル~会話力
そしてもう一つ鍛えておきたいのが、会話力。相手に興味と敬意をもってTPOに合った会話を行うことが出来る力。相手のバックグラウンド、今の感情などを推し量りながら会話を進める。言葉で言うほど簡単ではないとは思いますが、よく考えてたくさん経験するしかないと思います。
苦手な方はAIとチャットを交わしながら学ぶ、という発想もありかも。
今後鍛えていきたいヒューマンスキル~ヒューマンタッチ
数年前に私個人が鼻からの内視鏡を受診した時の話です。経鼻内視鏡は初めてで、なかなか上手く挿入出来ずに医師も手間取っていたよいうです。痛みと検査に対する若干の恐怖で緊張感が伝わったのか、看護師さんがそばに来ました。
その看護師さんは私の背中をさすりながら、「大丈夫ですよ、すぐに入りますからね」と。たったこれだけの言葉と行為なんですが、その時の私には本当にうれしい行為でした。
いつも医療機関にお邪魔してコンサルをしている立場なので、医療慣れしているつもりでしたが、いち患者になった時に「ああ、これなんだ!」と感動しました。理屈を超えた何か温かい感じを与えて頂きました。
精巧で見分けがつかないアンドロイドが普及すれば別かも知れませんが、それでもこれは人間にしか出来ない思いやりだと思います。
まとめ
本日は「AIとは違う、人間にしか出来ないこととは?」という事を模索してきました。いかがだったでしょうか?
策と言う割には当たり前な内容ばかりで恐縮ですが、それだけAIは強敵なのかも知れません。AIに使われるのではなく、上手く使いながら生きていける人間になりたいものです。
それでで、また次号で!
編集後記
AIに対抗できる人間は結局のところ、現在人間力があると言われている人材なのかなという気がしています。自分ひとりで成り立つ仕事が出来るような方は別として(いるかどうか疑問ですが)、結局誰かの助けが必要な社会。周りと上手くやっていける人物、深い洞察力や共感力、コミュニケーションの上手な方がうまくやっていけるのではないかな。
院長先生。院長ではなく、人間として認めてもらえていますか?