クリニックの姿こそ、院長の人格そのものである!

腕組をする医師

冒頭にお詫びしておきますが、当サイトは主に開業を考えている先生や、経営・運営に悩む先生を想定して作っているにも関わらず、先生にとって少し厳しい話になります。

これからお話する事は、私がコンサルタントを進めるにあたって必ずお話する事です。すでに開業している先生や、これからしようとしている先生には是非知っておいて欲しい内容ですので、あえて忖度せずに進めて参ります。ご容赦下さい。

一般人に理解出来ない、院長の考え方

私がクライアントの医療機関、門前薬局から聞いた「院長の直してほしいこと」を箇条書きにしました。

  • 言う事がその時の気分で、コロコロ変わる
  • 機嫌が悪いと、突然怒り出す
  • 自治会の寄付金などにイチイチ文句を言う
  • 嫌いな患者さんへの態度が極端に悪く、そばにいるスタッフが気をつかう
  • 時間厳守と言いながら、自分はなかなか院長室から出てこない
  • すぐに院長室にこもる
  • 定期昇給がなかったので恐る恐る尋ねたら、すごい剣幕で怒られた
  • 賞与月数が毎年バラバラ。説明を求めても、ごちゃごちゃ言って訳がわからない

ひょっとすると耳が痛くなる先生もいるかも知れませんが、実際にクリニックで発生している出来事です。知らない人が聞いたら、どういう性格してるの?と首をかしげたくなりますね。

もちろん全員ではありませんが、ある程度医師に共通の問題点なのです。

自分の考え方は正しくないかも?

このように社会的にちょっと問題かな・・・という資質を持っている危険性があるという残念な事実をご認識下さい。

話を変えますが、クリニックの院長はスタッフを雇用するわけですから、大袈裟ですがその方の生活の責任を負うわけです。そしてクリニックの理念実現に向けて、スタッフと力を合わせて診療に全力を傾けていく。医師であり、経営者であり、リーダーとなります。

企業でも団体でも同じですが、組織はそこのリーダーの能力・人格に大きく影響を受けます。いくら良いメンバーが集まって頑張っていても、相応しくない人間がリーダーになれば組織は良くなりません。厳しい事を言うようですが、相応しくないリーダーは早々に退かなければならないのです。

しかし現実はどうでしょうか。雇われ院長なら変わる可能性はありますが、クリニックの院長が経営者の場合は変えることが出来ず、所属するスタッフ、患者さんも幸せにはなりません。いくら私は院長に相応しい人間になる!と意気込んでも、考え方が初めから間違っている場合が非常に多いのが現実なのです。

医師を取り巻く世界は特殊で、例え明らかに間違っている場合でもそれがまかり通ってしまう。白なのに、立場のある医師が黒といえば黒になる世界なのです。周りが合わせてくれることが多いと思います。この事実をまずはよく認識して欲しいと思います。

開業すると変わるから大丈夫という人もいますが、そう簡単には人は変われないものです。これも事実。何か大きな痛手を負わないと、なかなか気が付かない。

クリニックで時々あるケースとしては、スタッフ全員が一気に退職するという事件ですね。こうなって初めて、スタッフの大切さと自分の間違いや無力さを思い知ります。

医療に関してはリスペクトしますが、残念ながら先生の考え方は間違っている事が多いという恐ろしい事実です。

リーダーになった時に注意して欲しいこと

「自分は勤務医時代も周囲のスタッフと上手くやってきた。開業しても大丈夫さ」

こう言われる先生は結構多いのですが、こういうケースも注意が必要。勤務医時代はスタッフと同じ働く側でしたが、開業して経営者になった時点で立場が変わります。経営者とスタッフという立場に。

起業した方によくお聞きますが、サラリーマン時代は管理職であっても労働者側でした。居酒屋で上司の悪口を言い合ってストレス発散する立場から、今度は言われる側になります。業務指示も真剣みが当然変わってきますよね。

スタッフに嫌な事も言わなくてはなりませんし、場合によっては泣いてしまうこともあるでしょう。また患者さんからのクレームから逃げたくなる事もあるでしょう。そういう事から逃げずに対処しなくてならないのです。

患者さん、スタッフと良い人間関係をつくるコツ3選

当サイトの中でも、屈指の書きにくさを感じながら(苦笑)お話を進めていきましょう。

しっかり認識してもらったら、充分に改善する余地はございます。私が言営業マン時代に培った人間関係構築について、数ポイントご紹介しますので御一緒に考えていきましょう。

1.他の人の話をよく聞く

いきなり当然の話になりましたが、これは医師だけでなく全ての人に共通することです。人間の基本欲求は、

・自分に関心を持って欲しい、好きになって欲しい
・自分の話を聞いて欲しい
・そして共感して欲しい、理解して欲しい
・他人には興味はないが、自分の話を聞いて理解・共感してくれたら聞いてもいい

このように”超自己チュー”なのが、私たちなのです。ですので人に好かれるには、まずは人に関心を持って、話を聞いてあげる必要があります。ただ無理に我慢して聴いていると、すぐに相手にわかりますのでご注意を。興味を持てる部分を探して、受け入れてみると良いと思います。

2.会話の中に適切なあいづちや、共感ワードをはさむ

「へえ~そうなんだ!」「わかるなあ~」「それでどうなった?」などのあいづちと共感ワードは、話し手のボルテージを上げる効果があります。さらに気持ちよく話せるようにしてあげるという事です。逆に「で、結論はナに?」みたいな聞き方は最悪。このちょっとした言葉を使うことで、聞き上手になれますよ。

3.話の御礼を述べる

「今日はいろいろ話してくれて、有難う!」

これも効果絶大で、相手は聞いてもらった上に御礼まで言われて「なんていい人!」「また聞いて欲しい!」と思ってくれます。普段はなかなか言えない言葉ですが、素晴らしい言葉だと思います。特に”有難う”はマジックワードですので、締めくくりには最高です。

いかがでしょうか? 特別な事ではなく、全く普通の話ばかりですが、案外出来ていないものです。特に男性はすぐに結論を求めたがる傾向がありますので。いつも感じるのですが、このあたりの共感力は女性が得意ですね。周囲の女性の何気ない話を聞いてみると、ヒントが得られますよ。

まとめ

最後までお付き合い頂き、有難うございました。このページでご理解頂いた事は、経営や運営において最も大切な事だと思います。
先生の実現したいクリニック像、患者さんへの貢献などにおいて、診療のスキルと同様に先生の人格を磨いて頂きたいと切に感じています。