コロナ危機

コロナ禍を1年以上経過して、わかったこと

昨年春から感染が本格化して、ざっと1年半ほど経ちました。環境が激変し、人々の生活環境、仕事との関係もかなり変わりました。今まで当たり前に行ってきたことが、当たり前ではなくなったのです。例えば通勤はそもそも学校に行かないのでほぼなくなりました。また通勤もテレワークになり在宅勤務の人も増えたようです。それに伴い、会社の会議や式典・行事なども消えました。

なくなってわかったことですが、本当に無駄なこと(全て無駄とは言いませんが)をたくさんやってきていたということです。貴重な時間をなくてもいいことに費やしてきたことが今わかってきました。
変革が嫌い、苦手な日本という国の弱点を露呈した、とも言われています。たしかになくなって初めて気づいた大切なこともたくさんありましたが、なくなっても何とも思わないこともたくさんありましたね。フレームそのものを変えないといけない時期になったと感じます。

翻って私たち医療界はどうだったでしょう? 
一部病院はコロナとの闘いで疲弊し、スタッフも疲弊しました。これに関しては本当に残念なことでした。この場を借りて関係者の方のご苦労とご尽力に、敬意を称します。
では直接コロナにあまり関係のなかった医療機関はどうでしょう?

全国的に小児科・耳鼻咽喉科という急性疾患を核とする科目を中心に、かなりの患者減にみまわれました。いまだに完全に元に戻っていない先も多いと聞いています。逆にこの時期でも前年並みかそれ以上の収益を上げている医療機関もあります。エリアや科目でも差はあるでしょうが、誤解を恐れずに申し上げれば、地域での必要度、この時期に患者さんの為に何をやってきたのかという差なのかも知れないということです。

「何を言うんだ!一生懸命にやってきたよ」

こういわれる先生もいらっしゃるでしょうが、それでは具体的に何をやってきましたか?
感染対策?医療機関以外でも当然行っていますので、当然のことですね。それ以外は?

大変だった、いろいろ考えてという割にはおそらく従来とそれほど変わらず診療をしていたという医療機関が多いのではないでしょうか?

的確に問題を把握し、正しい改善策を継続していれば患者さんに伝わるはずです。
低迷している医療機関には、それなりの理由があるというわけです。

コロナ禍で患者さんの意識も変わりました。感染は怖い!という初期の段階から、今も怖いけど対策をすればという意識に変わってきていると思います。その意識の変化に、医療機関としてどう対応していくか、これを真剣に考えるべき。

医療機関は患者が来なくて倒産、というケースはまだまだ少ないのが現状です。ブルーオーシャンとまでは言えない地域もあるでしょうが、レッドオーシャンというほどは苦しくない。
だからどうしても甘くなる。残念ながら、これが現状でしょう。

しかし立ちいかなくなるという危機感を持って正しく取り組む人間だけが、目標達成が出来ると信じています。今一度、自院の課題や患者さんのニーズを探って対応しておきましょう。

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