日々の診療、お疲れ様でございます。すでに申請済みの先生もいらっしゃると思いますが、オンライン資格認証(マイナンバーカードと顔認証システムを用いて資格認証する仕組み)時に必要なカードリーダーの助成申し込みの期限が近付いてきました(3月末)。
Web上でも「どの機種を選べがよいのか?」というワードが多いので、医療現場目線、経営者目線で大胆に?機種選定をしていきます。最後までお付き合い頂ければ幸いです。
制度について
この制度はマイナンバーカードによる国民の管理政策で、個人情報や社会保障関係、税務関係のデータを一元管理する流れの一環です。医療に関して申し上げれば、その方がいつどこで、どのような医療を受けているかがシステムにより一目瞭然になります。制度に関する詳細や、危惧される点などに関しては後日にしますが、近い将来必須の仕組みになると推測されますので、準備をしておきましょう。
とは言え、遅々として進まないマイナンバーカードに焦り気味の政府。マイナポイントをつけたり、今回のカードリーダーの無償提供、助成金の創設などなりふり構わずに推進しています。
そんな状況ですが将来を見据えて私たちが今しておくことは、まずは「顔認証カードリーダー」を申し込むことです。3月末までにWebか郵送でもう混むことで、カードリーダーが無償提供されます。
それに加えて導入助成金(詳細は厚労省HP)を申請する権利もくっついてきますので、しておきましょう。「すぐに顔認証システムを使わないといけないの?」と心配になりますが、あくまで申し込みのみで、稼働させる義務はありませんのでご安心下さい。
機種に関して
私のクライアントからも質問を受けますので、調べてみました。現在4機種(日立、パナソニック、アルメックス、キャノン)から選択することになっていますが、その違いを簡単にまとめておきますね。
- 基本的な機能は全機種ともに、差はないと判断して良い
- サイズは日立製が最も小さい(ただし、その分当然ですが画面は小さくなり視認性は落ちる)
クリニックの受付スペースは決して広くないので、サイズは重要かも知れません - アルメックス社(USENが親会社で、自動精算機分野では名は通っています)のみ、紙の公費受給証をOCRカメラで読み取ることが出来ます
- 顔認証性能はパナソニックが一番良いという情報も有り
余計に迷いそうですが(笑)、私はパナソニックかアルメックスをお勧めします。
理由は前述した「サイズ感」と「公費受給証の読み取り」です。この2点をもう少し詳しくお話ししましょう。
サイズで選ぶ場合
サイズは日立が一番小さいです。クリニックの受付スペースを考慮すれば小さい機種を選ぶことになりますが、それはクリニック都合。あくまで利用者のことを考えると少し話は変わってきます。
小児科や耳鼻咽喉科など患者層が若いクリニックは問題にならないかも知れませんが、内科や整形など高齢の患者さんが多い科目の場合は視認性とのバランスを考えるとパナソニックが良いかと思います。
紙の読み取り機能・将来性を考えるなら
紙ベースの受給証などは従来通りの運用にしてマイナンバーカードのみで良いのか、効率化を考えて読み取り機能を選ぶのかが迷いどころですね。
こういう時は少し視点を変えてみると良いかと思います。厚労省の言う通りに顔認証システムを導入するという考えも流れに乗るという面ではいいかも知れませんが、発想を変えて「クリニックの業務効率」という視点にして考えるとどうでしょう?
どの業種においても同様に、今後は「画一的な単純な作業」は機械化・デジタル化されます。これは間違いないと思います。クリニックの受付業務はいくつかの業務に細分化され、患者さんとの大切なコミュニケーションの場でもあります。そこは効率化とは全く違う業務ですが、「保険証や受給証の確認」に関してはいかがでしょう?別に誰がやっても、機械化しても全く問題ないのではないでしょうか?
そういう視点においては、省力化出来ることは最大限することが大切。受給証も機械に任せるべきですね。今はアルメックス社のみですが、そのうちもっとたくさんの良い機能をもったカードリーダーが発売されるでしょう。ですので現時点では、アルメックス社製は良いと考えます。
まとめ
いかがでしょうか?先生も思ってみえる機種とは違うかも知れませんが、現場スタッフの意見も踏まえて、老眼が進んでいる私の患者目線も含めてお話しをして参りました。
将来的には自動受付、Web問診、自動精算機がもっと進化して人を介しないチェックイン、チェックアウトになるでしょう。
「じゃ、事務スタッフはいらなくなる?」
いいえ、そうではありません。最低限の人数には出来ますが、ゼロには出来ませんね。
これから無人化が進めば進むほど、反対に人とのつながり・ふれあいを求めるようになります。
それが、我々人間ですもの。単純業務が効率化し、患者さんとのつながりを作ることの出来る、本当の意味での優秀なスタッフが必要な時代になります。
先生も変わらないいけない時代が、もう目の前に来ています。