開業や継承は大変だから・・・第三の選択肢
自分で開業したいけど資金がない。雇われ院長って実際はどうなんだろう?
現在、先生が独立するにはエリア・開業方法・自己資金にもよりますが、1億5000万~3億くらいは必要だと言われています。地方の整形外科医の場合ですと、4憶以上になるケースも見てきました。なかなか厳しい金額ですね。勤務医時代からしっかり貯蓄してきた場合や、ご両親の援助があるなら話は別ですが、大半は多額の借入金を背負ってのスタートになります。昔ならいざ知らず、近年の開業医の状況を鑑みると決して楽観出来ない状況です。
このような時代ですので、上記の先生のように「お金のかからない開業」や「病院より楽な勤務」を考えても当然です。開業後順調にスタートを切れれば良いですが、そんなケースばかりではありませんからね。実際に開業したのはいいけど、患者さんが少なくて休診日にはよそにバイトに行っている先生もいらっしゃいます。(少し悲しくなりますね)
開業や継承はどちらも独立ですので、上記のようなリスクは先生がとらなくてはいけません。リスクに対する考え方は様々ですから、独立しないという選択肢も有りですね。
病院勤務医でなく、独立でもないという第三の進路
・病院の勤務医は当直や、急な呼び出しとかで常に追われている感じが強く、もうしたくない。健康面や家族問題も不安。
・でも新規開業には、経営リスクがある。
こういう先生には勤務医より負担は少なく、開業リスクもない、”雇われ院長”という働き方を考えてはいかがでしょう?
あまり情報がなく心配かも知れませんが、多院経営を実行している医療法人も多く、勤務先は充分ございます。
分院長は、
・診療の責任は負うが、経営に関してはリスクを負わない。(精神的にかなりラクですね)
・スタッフ問題などの人事や総務関係の雑事は、基本行わない。(これは結構ストレスになりますので、大きなメリットです)
・報酬は定額年俸か、収益連動のインセンティブ型、またはミックス型を選択出来る
つまり診療に専念し、経営には深くはタッチしないというスタンスですね。勤務医時代に似ていますが、クリニックならば基本外来のみですので、オンコールなどの負担はないという点が大きなメリットですね。
分院長のメリット・デメリット
少し重複しますが、再度お話致します。
⦿メリット
・煩わしい経営、人事、総務から解放されて、診療に専念できる。
・資金繰りも考えなくていい。
・外来中心のクリニックならば、当直やオンコールはない。
・開業志向ならば、経営や人事など開業で悩むことなどの勉強が出来る。
⦿デメリット
・経営者と距離が近く、何かと関わらなくてはならない。
・分院長が複数いればまだしも、自分だけだと何かとストレス。
・経営者と折り合いが合わないと、働きにくくなり退職するリスクはある。
(大きな病院では院長との距離が遠く、人も多く紛れる)
いかがでしょうか? メリット、デメリットはありますので検討の余地はありますが、分院長としてずっと務めている医師も多いです。また将来の開業に備えて、勉強のつもりで数年間働いてみるというもの手だと思います。
まとめ
いかがでしょうか? おそらくあまり想定されていない進路だと思いますが、第三の道として知っておくのも悪くありません。また病院からいきなり独立(新規開業)というコースよりも、数年間クリニック経営・患者さん対応などの経験がつめますのでメリットはあると考えます。
新規開業や医業継承の独立という大きな負荷がない、分院長職。分院長として働き続けるのも良いでしょうし、3~5年ほどノウハウを学びながら新規開業を狙うというスタンスもありでしょう。一般的には病院勤務医からいきなり開業するケースが多いですが、クリニックノウハウを学ぶというメリットも見逃せませんね。どちらにしても、戦略を決めて選択する必要があります。
分院長の就職斡旋は、各スカウト業者などが盛んに行っていますので、そこに乗っかるのが王道です。中には直接応募、交渉し、業者に支払うマージンを自分で獲得する猛者もみえるようです。
この辺りの情報や交渉に関しても、ご提案出来ますのでご相談下さい。