現状と本音
分院長に就任し、雇われながら将来を考えるという立場で日々働いています。患者さんとも上手くやっていかないといけないし、理事長の目もあるので一生懸命に頑張らないといけないですね。このあたりは病院勤務に近いのかも知れませんが、宿日直やオンコールがない分はかなり負担は減ると思います。こう思うと分院長というポジションもそう悪くはないのではと感じますね。
でも本音のところはどうでしょうか?
自分のクリニックなら当初の借り入れもあるし、自分事なので一生懸命必死で診察をするでしょう。でもサラリーマンなんで、そこまでは身が入らないというのが正直なところだと思います。人によって差が出るところだと思いますし、目標によって現在の仕事も変わってきます。勤務医はきついので、このまま分院長を続けていくのもありでしょう。また独立志向ならば、近い将来の開業に向けて情報収集と開業医スキルを学び取る為に頑張るという手も良いと思います。
今は価値観も多様化していますので、何が正解かはその先生の価値観次第ですね。
勤務先別の現状
分院長としてやっていく決意をした場合、どうやっていけば良いかを勤務先の規模別で考えてみましょう。
ますはある程度の規模を持つ個人病院を想定します。
個人病院ならばある程度組織もしっかりしているでしょうし、経営者との距離もある程度あるので、距離感はキープ出来ますね。何と言っても経営者との軋轢が一番の問題ですので、一定距離がある方が良いかと思います。
スタッフも多いので統率には神経を使いますが、苦手なスタッフがいてもこれも距離があるので、楽かも知れません。フォローしてくれる中間管理職(婦長、事務長など)もいますからね。
難しいのは、小さなクリニックの院長をするケース。
先ほどと反対で、経営者との距離はかなり近い。中には現場にいない経営者や、系列の違うクリニックの院長であったりするとあまり会わずに済みますが、そうでないケース(同一クリニック内)では距離が近く、神経を使います。経営者もある意味同じ気分でしょうが・・・
注意すべきこと、心がけること
勤務先により事情は違いますので対処法や注意点も変わってきますが、ここではエッセンスを抽出してお話します。
・基本的に勤務先病院の診療方針に沿った、若しくは事前にコンセンサスをとった診療をしっかり行うこと。
・経営者の意向に沿った行動・言動を心がける。無用なトラブルを避けましょう。
・患者さんとの信頼関係を構築する。これは将来的にも必ず役に立ちますので、スキルを確立させま
ると良いですね。
・診療中心に、雇用主にホウレンソウをしっかり行う。長く雇用関係を続けるコツは、コミュニケーションの量と質です。こんな事はいい・・・と思わず、なるべく雇用主と話す機会を多く作ることが大切です。
・スタッフとの良好なコミュニケーションを常に意識する。これも将来開業したいなら必須のスキル、腕を磨いていくと良いですね。それとありがちですが、特定のスタッフとの付き合いはなるべく避けましょうね。トラブルになる原因の上位3つに必ず入ってきます。
・女性社会ですので、毎日、分け隔てなく、一言でいいので声がけしましょう。
私が言う前にすでにちゃんと出来ておられるかも知れませんが、私の見てきた分院長は仕事が中途半端であったり、経営者の想いをくみ取れない人物だったり、女性スタッフに総スカンをくったりと・・・
普通の企業の社長は、サラリーマン社長も多いでしょう。でも上記のような仕事はしないはずです。医者も同じ。そして正しい行動を続ければ、必ず先生にも良い結果がかえってくるでしょう。
開業予備軍の先生へ
数年先に開業を考えている先生にとっては、分院長で働く期間は非常に貴重なものになります。というのも、開業を疑似体験出来るんですから!しかも、給料をもらって(笑)。こんな美味しい話?ほっておいてはいけません。
何故か?
・開業を実際経験した経営者の話を、直に聞ける。
・開業後の苦労話を聞くことが出来る。(患者対応、スタッフ対応、資金面など)
・開業後のマネジメントを学べる。見るだけでなく、自分で直接経験することも出来る。
これが何より大きいと思います。
・スタッフマネジメントも勉強することが出来る。
・開業してから接する業者(税理士、銀行、医薬品卸など)とも接触する機会が出来る。
他にも様々なメリットがございます。自ら求めて動けば、ご自身の開業の疑似体験が出来るということですね。
こう思えば、今の分院長という立場は一変するかも知れません。お金もらって、独立の準備が出来るんですから。
仕事への取組み態度も変わるはずですね。経営者がビックリしたりして(笑)。
まとめ
このページをご覧になれば、分院長の働きぶりが変わるかも知れません。サラリーマンでずっと働くのも良し、将来は開業したいと思うのも良しです。どちらにしても、医療と人にきちんと向き合う姿勢が、必ず将来に跳ね返ってくると思うことです。
本意で今の立場にいるのかは不明ですが、目標を持って自分に与えられた仕事を全うするのがベストということです。