業務改善

「問診」がルーティン作業化していませんか?

こんにちは。最近はようやく週に1回投稿できるようになり、ご意見や感想のメールを頂戴するようになってきました。旬の話題、本質的なお話、マーケティング的な見方、日頃感じていることを発信していきたいと思っています。最後までお付き合い頂ければ幸いです。

問診の重要な役割と現状

今日は「問診」について、マーケティング的な見方で改めて考えていきたいと思います。
医療機関にとっては「問診」は必須の情報ツールであるという位置づけは、どの科目の先生にも共通だと思います。常連の患者さんならいざ知らず、年に1回の来院とか初診の場合はまずは問診が頼り。
しかし大事だと思いながら、実際はそれほど大事にしていない、ルーチン業務のような捉え方をしている先生やスタッフが多いのも事実なんです。

もう一度言います。問診は大切だ、これには異論はないと思います。それではその大切な問診に関わるツールを大事に考えていますか?という疑問をぬぐえないということです。

開業当初から何年、何十年とずっと同じ内容であったり、問診票の内容で気になる部分、詳しく聞いたほうがいい部分、患者さんが答えにくい問診票の文章、もっと違う内容にしたら得られる情報も違う問診票に変えないのか、等々重要なツールに対する行いではないような気がして仕方ありません。

もちろん、常に改善をしているクリニックもあります。しかし大部分のクリニックが残念ながらそうではない。こういうお話を医師にすると、
「忙しくてなかなか内容の見直しまでは・・・」
「問診は既往とかアレルギーとかの基本情報さえわかれば後は直接聞けばいいんだ」

忙しい中そこまで手が回らないという意見もわかります。しかし、しかしです。せっかく患者さんに手間をかけて書いて頂くならば、もっと的確で、もっと多くの必要な情報が取れる内容に変えるべきじゃないでしょうか?
毎回失礼な事を言いますが・・・これが””ズレている”という事です。だから患者さんの満足度が上がらいのです。

患者さんから見た問診票とは?

一方患者さんから見たら、問診票はどう捉えられているのでしょう?
面倒くさいであったり、適当に書く、内容を文章にしにくいので細かい症状は書かない等の感想があるようです。私もたまに受診しますが、定型の事務的な文章を見た瞬間にそう思ってしまいます。

これは患者さんの意識の問題もありますが、原因は医療機関側の「問いかけの仕方が悪い」という事に尽きます。

「そんなこと言うけど、A41枚で聞けることなんて知れているし、そもそも業者の提案に従ったまでだ!」責任転嫁してはいけませんね。答えが悪いのは、設問が悪いからだという発想に変えていかないとこれからはダメですよという事なんです。

あるアンケート調査の内容を見てみましょう。これは無作為に選んだアンケートで、本音が現れていて面白いので是非ご覧頂きたい内容です。

<医療機関の問診票について>
言葉がわかりにくい
院内で書いていると、気が散ってゆっくり書けない
症状の部分は文章としてまとめないといけないので、書きにくく諦めてしまう
記入後、受付の対応が事務的すぎる。目を通して、何か聞いてきたりもしない
きちんと記入したのに、医師が目を通していない
問診票での訴えを無視する
(以下省略)

いかがでしょうか?先生のクリニックに当てはまってない事を祈りますが(笑)、おそらく1つ2つは該当しているはずです。
これが患者さん側の気持ちです。今やどこの医療機関も「患者さんファースト」を掲げています。それならこういう声にも対応していくべきだと思いませんか?

患者さんは問診票を通じて、どうして欲しいのか?

患者さんは、自分の話をしたいのです。症状や悩みなど、こんなに私は苦しい、悩んでいる、何とかしてほしいという部分を解決してほしくて来院しているのです。そういう問診票にすべきではないでしょうか?もちろん最低限聞いておくべきことはありますので、それはカット出来ませんが、様式を工夫したりして理想に近づけていくべきですね。

またスタッフさんの対応も非常に大切です。
・問診票を書いて頂いたお礼を述べる。患者さんの目を見て、笑顔で。
・記入後に必ず目を通して、未記入箇所や気になる部分は確認をする。
・症状の記入方法にもよりますが、患者さんの訴えを患者さんの言葉で復唱する。
周囲の状況、患者さんのタイプにより少し変わってくるとは思いますが、基本的には問診票をしっかり確認し、患者さんの訴えを把握すること大切です。

まとめ

今回もまた聞きたくないけど本当の話を致しました。しかし健康、命を預かる医療機関にとって問診は非常に大切なステップであることは肝に銘じておかなくてはなりません。

クリニックの一つ一つの業務を、患者さん視点で見直していくことが出来る先生とスタッフなら、必ず地域になくてはならないクリニックになります。先生のお役に立てれば幸いです。


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