医薬品卸の役割とは?
勤務医を経て開業されるケースが多いので、医薬品卸とは付き合いがなかったという先生が大半ではないでしょうか? 勤務医時代ですと医薬品メーカーのMRか、機器卸の営業マンが多いと思います。
実は医薬品卸も病院にも勿論出入りしていますが、主に薬剤部、事務方が窓口だからです。病院の廊下などでは、何度かすれ違っていたかも知れません。
医薬品卸業者とは、主に医薬品や医療材料などの流通を担う職種です。病院では医薬品の納入、価格交渉、MRとの情報共有が主な仕事となります。
しかし病院によっては病院機能評価獲得のお手伝いや、経営改善の提案などのコンサル機能を発揮しているところもあります。病院では裏方というイメージが強いですね。
ただこれが開業医市場になりますと立場はガラっと変わり、一躍表舞台に登場してきます。開業医、調剤薬局などでは密接に関係しており、MRよりも重要なプレイヤーになっています。
新規開業時の卸の役割
新規開業をスムーズに進めるのは、たくさんのプレイヤーの協力を得ないと一人では出来ません。中でも重要なプレイヤーは、全行程をプロデュースーする役割の人間(医療コンサルタントなど)で、次に重要なプレイヤーは、この医薬品卸なんです。
ただ開業準備だけならば、卸がプロデューサー的な役割をすることは可能ですので、ご安心下さい。
では実際卸が何をしてくれるかですが、開業前の土地探しの段階から彼らは活躍してくれます。もちろんプロの不動産業者ではありませんが、医療に精通し日々エリアを走り回っている卸の情報網はなかなか優秀です。
また開業に必要な申請手続きも、彼らが代行してくれます。卸の中でも専門が分かれており、医薬品担当や医療機器担当がいます。新規開業においては後者の医療機器担当が中心になり、仕事を進めていきます。
最近では社内に開業専門部隊を置く卸もありますので、さらに信頼感は高くなりますね。彼らはヘタな医療コンサルタントや税理士よりも、新規開業においてはプロフェッショナルです。
卸とのタイアップはどうすればいい?
このように卸は新規開業にとって重要なプレイヤーですから、良い担当者と良好な関係を作って開業の力になってもらわなくてはなりません。
直接コンタクトでも結構ですし、当社から卸に打診し、然るべき人材を紹介させてもらうことも可能です。
ちなみに全国展開をする上位卸は「アルフレッサ、スズケン、メディセオ、東邦薬品」で、医薬品売上の90%以上を4社が占めています。新規開業チームはどこもありますので、何社か会ってみて決めてもいいかも知れません。
コンタクトの方法としては、
ホームページなどで希望の会社に直接連絡をしてみる。「地区名 新規開業」などのキーワードで表示されると思います
懇意のMR経由で連絡する(但し情報は洩れる場合があるので、まだ秘密裏に動きたい時は注意)
開業医の知人などに聞いてみる
などでしょうか。私は前職アルフレッサでしたので勧める訳ではありませんが、新規開業においても良い卸だと思います。コンタクトをとるタイミングは候補地が決まってからでも結構ですし、その前でも良いと思います。開業したら基本動けませんので、候補地のアドバイスも受ける意味で早い段階の方がいいかも知れません。
まとめ
いかがでしょうか? 今一つ卸になじみのない勤務医の先生には納得出来ないかも知れませんが、是非ご理解頂き良きパートナーと巡り合いましょう。
卸の営業マンとは、開業後も長い付き合いになります。