パートナーシップ 調剤薬局

調剤薬局の薬剤師

院内調剤or院外調剤?

分業率はすでに70%近くまで推移し、新規開業においてはほぼ院外調剤になっています。ご存じかと思いますが、それぞれのメリット・デメリットをお話しておきましょう。

まずは院内調剤から。

⦿院内調剤のメリット
 ・患者さんの手間、窓口負担が少なく済む
 ・処方の変更がすぐに出来る
 ・勝手に後発品に置き換わることもなく、自分の意図した薬を服用してもらえる。

⦿院内調剤のデメリット
 ・デッドストックが必ず発生する
 ・在庫の関係で、好きな薬を自由に処方出来ない
 ・院内に薬局スペースが必要になる
 ・調剤や在庫管理などに、人手が必要

続いて院外処方の場合です。

⦿院外調剤のメリット
 ・在庫などを気にせず、好きな薬が処方出来る
 ・院内のスペース、人員がいらない
 ・デッドストックなど、薬にまつわるコストがかからない
 ・薬剤師と処方のダブルチェックが可能

⦿院外調剤のデメリット
 ・薬価差は得られない、処方箋料のみ
 ・患者負担、手間が増大
 ・薬局の対応もクリニックと同一視される
 ・薬局経営が厳しくなり、マンツーマンでは応需してくれないケースが増えている

等などメリットとデメリット双方あります。今は院外処方で門前薬局を選択する場合が圧倒的に多いのですが、薬局が見つからないという新たな問題が発生しています。

診療報酬的にも院内調剤で生まれる利益よりも、処方箋料の方が割が良いのは事実。経営的・運用面でも院外処方に軍配が上がりますが、患者さんの手間と費用は増えますので、あえて院内処方で差別化するという戦略もありかも知れません。

調剤薬局との関係性

療養担当規則にも謳われていますが、医療機関と薬局の結びつきは禁止されています。患者さんが処方箋をどこに持っていこうが自由、誘導は禁じれています。昔はいろいろありましたが、まかり間違っても薬局へ金銭を要求してはいけません。

院外処方に決定したら、薬局の選定に入ります。調剤薬局は、その形態により大きく5つのタイプに分類されます。

・大手調剤チェーン薬局
・エリア(例:東海圏とか)チェーン薬局
・地元密着のローカルチェーン薬局(数軒~20軒ほど)
・個人薬局(1軒)
・ドラッグストア併設

薬局の違いですが、
・規模が大きいところは、サラリーマン的ですが人員が豊富ですので薬剤師の急な休みにも対応できる点ですね。経営の安定感も魅力です。
・規模の小さな個人経営薬局はそうはいきませんが、処方元に密着して細かい対応も可能です。経営者とも距離が近いので、いろいろな相談も出来ることはメリットです。

選定には、調剤薬局を数社選定し、社長やエリア担当、店舗責任者などと面談して経営方針、調剤方針、人柄などを鑑みて決定します。

*当社では先生に相応しい薬局を選定し、ご紹介致します。

薬剤師との付き合い方

前項のように薬局の規模にもより、薬剤師さんとの付き合い方は変わってきます。個人薬局ならまさに一心同体で強い絆を得られますし、大手なら少し距離をもってお付き合いできるでしょう。どちらにしても、親身になって処方元と共存共栄できる道を歩んで頂けると思います。

立場的には薬局は処方箋がないと商売にならない業種ですので、昔は立場的に下になっていた時代もありましたが、今は対等のパートナーです。
ですので薬剤師さんとは、良い信頼関係を構築して頂きたいと思います。

薬の知識や情報だけでなく、患者さんの情報も共有する「運命共同体」のような存在ですので、共に繁栄していけるよう努力していくことをお願いします。

まとめ

このように、薬局はクリニックの重要なパートナーです。患者さんを共に診療していくというスタンスで、選定することが大切です。
私共は薬局さんとも多くお付き合いをしておりますので、調剤薬局の選定にも役立つ情報提供を致します。是非ご相談下さい。