開業医の問題点 患者さん第一主義

患者さん

患者さんとの関係構築

「開業の10ポイント」の一番最後に持ってきた、「患者さん」との関係。
言うまでもなく、患者さんが来院してくれないとクリニック経営は成り立ちません。

勤務医時代なら嫌な患者は適当にあしらっていても大丈夫だったのに、自分のクリニックになるとそうはいきません。苦手な患者さんとも上手く付き合わなくてはなりません。
開業医は口コミ、噂も大事にしないと仕事が出来ません。
ここでもう一度、「患者さんとの関係」を考えておきましょう。

モンスターペイシェント

どこの業界もそうですが、モンスターと呼ばれる厄介な人が増えています。
昔から「お客様は神様です」という風潮があり、お客さんの言うことは黙ってきくしかない的な発想が経営者、現場にあったのも事実。

さらに時代のせいか、客側の権利意識が高くなってきており、ちょっとした不備に非常に拘り、徹底的に追及するというケースも目立ってきています。

加えて、今まで知識がなく例えお店側に非があっても、無知なので対抗できないという場合がありました。でもネットの普及で専門知識も開示されており、買う側がかなり手強くなってきているのも拍車をかける要因になっています。

このような要素が重なり、文句いった者勝ちみたいなモンスター消費者が増加しています。
これは医療も同様で、患者さんも黙って従う時代ではなくなってきました。

開業医に求められる要素

医療機関も医師も絶対ではなくなってきた時代、いかに患者さんと関係を作るかが非常に重要になってきました。
ただ診察をしていれば、患者さんがたくさん来てくれる時代ではありません。

流行っているクリニックには、共通の要因があります。それは、
・適切な診療を提供する
・院長の腰が低い
・笑顔で話しをしてくれる
・病気のことを十分説明してくれる
・個人的な悩みも、聞いてくれ共感してくれる
・スタッフも同様に接するよう、教育されている。

アレ、診療レベルの高さはあまり関係ない?という声が聞こえてきそうですが、はっきり言ってそこまで求められておらず、”そこそこ”でも充分のようです。
それよりも、クリニックにはゲートキーパーの役割と、患者さんに寄り添うような姿勢をより求めれているのです。

まとめ

こんな話をよく聞きます。
「私はアメリカの病院で心臓の手術をたくさん経験したから、地域医療に役立てるぞ」と。このクリニックは開業数か月で好スタートをきったそうですが、患者さんに来院理由をインタビューすると、

「駐車場が広くて、止めやすいんです!」

これを聞いて、クリニックの院長はコケたそうです(笑)。
「私のアメリカ留学は・・・」

でもこんなもんですよ。こんな理由で来院を決めるものです。決して医療を軽んじるわけではないですが、患者さんの要求は違うところにあったりします。

患者さんなくして経営は成り立ちません。経営なくして、良い医療も成り立たない。
まずは患者さんとの良好な人間関係を構築する気持ちを持って、開業や経営を考えましょう。